この話は自分が実際に体験した話です。
今から5年程前、ある定時制高校の夜間警備のバイトをしていた時のことです。
いつもはクラブなどで退出時間ぎりぎりまで残っている先生方も
その日はお盆ということもあって早めに帰ってしまいました。
私は誰もいないのを警備盤で確認し、早めに巡回を終わらせてしまおうと警備室をあとにしました。
何事もなく巡回は進み普通科練の二階にさしかかった時でした。
電話が鳴っているのです。
電話は丁度その階の中程にある準備室から聞こえてくるようでした。
私は慌てて、その教室に向かいマスターキーを使って入り受話器をとりました。
ツーツーツー…切れていました。
鳴り始めてから結構な時間がたっているのに、まるで私が電話にでるのを待ってから切ったかのように。
それから私は逃げるように巡回を終え警備室に戻ってきました。
一息つき、ふと警備室にある電話を見たとき気づいたのです。
学校などでは外部からの電話は事務室を通してからではないと内線には繋がらないという事に。
いったいあの電話は誰が誰にかけ、そして誰が取り次いだのでしょうか。