米子市の大水落川（おんどちがわ）の河口で去年の夏、よく夜釣りをしていました。
その日は一人で夜釣りに出かけて竿先ライトを投げ竿の先に取り付け、真っ暗な海の方、ただ一つ光るそのライトだけをじっと凝視していました。

ピクリとも竿先が動くことがないまま、結構な時間がたちました。
「いい加減かえらかな〜？」と一人で呟いていると、ピタピタと裸足で歩くような足音が聞こえてきました。
その時は（他の釣り人がきたんだな〜）と、思いましたが、俺の１メートル位後ろで止まり、そのまま動く気配がしませんでした。
（釣れてないとこ見らんでごせや）とか思いつつ気にしないように竿先に意識を集中させていましたが、
結構な時間がたっても後ろの人はピクリとも動く気配がしません。
俺はなんだかだんだん怖くなってきました。
自分から見える光は竿先ライトだけ。
その暗闇の中、後ろに、確かに足音をたてて歩いてきたはずの人が、なんというか
人間がそこにいればするであろう物音すらなく、ただ気配だけがある。それがなんだか怖かった。
でも、今のところ「怖い」という以外の実害はなくただじっとしていればいいような気がした。
でも、もう竿先のライトを見ている余裕もない。俺はただじっと顔をうずめ、朝を待ちました。

ものすごく長く感じましたが、夏だったので多分、そんなに時間はかからなかったでしょう。
海の向こうから少しづつ、太陽が見えてきました。
もう竿先ライトも必要ないくらい明るくなりました。

後ろにいるはずの人、その人がさって行った気配も音もありませんでした。
明るくなって怖さがなくなり、俺は後ろを、誰かがいたはずの俺の１メートル後ろを
振り返りました。

誰もいません。気のせいだったかと思いました。
でも、違いました。
足跡だけ、俺の後ろ１メートル程の所にその部分だけ濡れて、くっきりと裸足の足跡がありました。
その場から去って行くような足跡はありませんでした。

俺、ずっと見られてたのかなぁ・・・？

長文、駄文すみません＞＜
でもこれ、ほんとに実話です；；