昔、よく小石原をぬけて油木ダムにバス釣りに行っていたが、ある秋が深まった日の夕まづめの釣りどきを過ぎて暗くなってきた時、不気味に光る老人を見た。
明らかに電灯等の光源があって光を放っているのではなく、老人そのものが光っていた。
しかも、光っているのに暗い、つまり光を吸収するかの如く光っていた。
明らかにこの世の人、生きている人ではないとわかった。
足ががくがくするのを踏張りながらかなりの時間かかって車に辿り着き、なんとか家に帰り着いた。
あのときの感じはいまこうして書き込んでいても鳥肌が立ち、恐ろしくなる。