そういや6号沿いでゾッとすることがあったよ。

あれは2年前の秋の夕暮れ時だったと思う。
6号沿いを車で家路に向かっている途中のことだった。助手席に母、後ろのシートに妹が乗っていて、
みんなで談笑していた。すると突然妹が運転席と助手席の隙間から顔を出して「うわっ!何あれ!?」
と叫んだ。俺はちゃんと前を見て運転していたが、何が起こったのか全く理解できず一瞬戸惑い、
「どうした?」と慌てて聞いたが妹は黙ったまま。「変な奴だな」と思いながらも運転を続けた。その時、
急に俺の車のクラクションが鳴り出した。もちろん触れてはいない。「!!!!!!」焦ったがすぐ目の
前に今はなきファミリーマートがあったのでとりあえず入り、クラクションを叩いたが全く鳴り止まない。

クラクションはその後5分ほど鳴り続け、そして突然止まった。押してみるとちゃんと鳴るし、離せば止まる。
ますます訳が分からなかったが、とりあえず直ったことだし、余り物事を深く考えないように出来ている俺
は再び車を走らせた。するとまたすぐにクラクションが鳴り始めた。今度も止まらない。仕方がないので
近くにあるガソリンスタンドまでそのまま走り、駆け寄ってきた店員に修理して貰おうと見てもらったが原因
がさっぱり分からない。仕方なくホーンのコネクタを抜いてやっとクラクションは鳴り止んだ。

「いやぁ参ったな」と帰り道俺が笑いながら傍らの母と妹に話し掛けると、妹が「実はさっきさ・・・」と話し出した。
「さっきなんとなく前みてたんだけど、ぼんやり人が渡っていくのが見えたんだ。それで『あっ!危ない!』って
思ってライトの先を見たら、その人上半身がなかったんだよ・・・足だけが歩いてたんだ・・・・」

余り怖くないかもしれないけど、それを聞いたときは本当にゾッとした。