真面目で頑固だった祖父の話です。
祖父とは、同じ家の中にいたのに、あまり会話もしませんでした。

私は、祖父が死んだときも、泣けませんでした。
「あの人には一度も褒められたことがない」って、さめていました。
情のうすい人だって、思ってました。

でもしばらくして、ある朝、夢枕に祖父がでてきて。
「お前は、深く考える事ができるのが良いところだと思う」って褒めてくれました。
夢を見ている間はよく分かりませんでしたが、目覚めたら、なぜか泣いてしまいました。
もう、抑えようと思っても、泣けて止まらなくて。

祖父は頑固で怖いだけじゃなくて、私の良いところも、ちゃんと認識してくれていたんだと思います。
私は気付かなかったけど、ちゃんと愛してもらっていたんだと気付きました。