建築設計事務所の仕事で現場に来た時
ヘルメットをもらって足場を組んだ現場に入ったら
野太い声で「おいっ!」って聴こえた。その声が大工やってたおじいちゃん
そっくりな声だったので、なつかしくなってしばらく声の元を探したが薄暗くて
見えなかった。後で挨拶に行けばいいかとその先に行こうとしたら
足場が崩れて立てかけたあった資材が崩れてきた。
もうちょっと早く足を踏み出していたら下敷きになるところだった。
「あんたが建築の仕事に就いてくれて一番喜んでるのは爺ちゃんだね」って
お母さんの言葉を思い出して、爺ちゃんに会いたくなったよ。
会いたいときにはもういないんだね。