T君の話の続き

T君がN村さん連続死亡の話を私にした時、T君はすごい状態だった。
右半身が擦り傷だらけでスネには私がこれまで見たこともない大きな
カサブタがあった。
通勤帰宅途中でバイクでこけたらしい。
私はT君の話した怪談よりこちらの話の方が怖かった。
バイクに乗っていた彼の話はこう。
「..ほんで、この話をお前(私)にどない話したろかて思てたんや、
 ほんで、ちょっと考えてて、われに返ったら、えらいのろのろ走ってる
 気がしてな..景色がゆっくり流れてて..、あ、いかんいかんつい上の空で
 運転してた...と思ってアクセル空けたんや。
 ほんでなにげなしにメーター見たんや...そんだら120(Km/h)でてるやん!
 と思った瞬間ぶわっ!て景色が流れてな、あせってしもた。パニックや!
 信号待ちしてる車のケツも近づいてくるし、なんとか止まろうとして、
 ブレーキかけたらロックしてザザザーッといってもうた...」

私はなんとなく「呪い」かと思って怖かった。
バックミラーに写るとかじゃなくてこういう形の呪いがあるのかなと思いました。