北海道の札幌の郊外に盤渓っていうところがある。
そこにドライブに行ったときの話。
俺は友達のNのカリーナの助手席に座っていた。
国道から山の方向に折れ、高台の住宅街を抜けると夜景のきれいなポイントがある。
俺たちはそこを目指していた。
時刻は夜の10時頃。
住宅街なので車の通りはもうほとんどない。
俺たちの乗っている車は住宅街の終わりに近づき、
道がT字路になっているところにさしかかった。
そこから先は民家が無く、道も緩やかに上りのワインディングロードになっていく。
助手席に座っていた俺はそのT字路の手前、左側の歩道に人影を見た。
子供のような小さな人影。
でも少し変だ。
何か大きな板のような物で上半身が隠れている。
長方形の板が空中に浮かんでいてその下から半ズボンの子供の下半身が見えている。
俺はその子供に視線を吸い寄せられていた。