私の兄が大学生の頃体験したという怖い話。

その日深夜に自分のアパートに戻ってきた兄は、隣人たちを起こさないよう
ゆっくり静かにアパートの階段を登っていました。
兄のアパートの階段は、段と段の間が隙間になっているタイプで、
兄はその時なんとなくその隙間を目で追いながら登っていたそうです。

その時・・・・兄は見てしまいました。

隙間の向こうからこちらを覗き込む、
大きく見開かれた一対の「目」を。


兄「・・・・・・・・・・」
?「・・・・・・・・・・」

硬直し見つめあうこと数瞬。
こちらを窺うように「目」がスッと細められ

「――――――――!!」

正気に返った兄は、悲鳴を飲み込み全速力で部屋まで駆け登ると、
そのまま布団に潜りこみ震えながら朝を待ち続けました。


(つづく)