チ 千葉の心霊スポット6 チ
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0545あなたのうしろに名無しさんが・・・
NGNG船橋の某小学校近く、新京成線の踏切沿いに、かつて製粉工場だった廃墟があった。
俺らの仲間は、よくその廃屋に入り込んで肝試しをやっていた。
鍵が掛かった木製の入口も、破れたガラス部分からなら小学生には楽なもの。
廃屋の中には、垢抜けない古めかしいポスターや、カレンダー、埃が積もった湯のみ茶碗、
ねずみ色の作業服も残っていたし、床はそこかしこ抜けかかっていた。
コウモリやネズミやスズメの死骸も、子供の目から見たらブキミでエキサイティングなものだった。
ダニに食われ、くもの巣でべとべとになりながらも、俺らは人数が揃えばそこに入った。
大人達が「あそこにだけは行くな」と言えば言うほど楽しかった。
夏休みのある日。
仲間のひとりY君が珍しく先陣を切って入っていった。
次のやつが入ろうとしたその時、「ぎゃーーーっ」というY君の叫び声。
俺らはY君を置いて入口から飛びのくように走って離れた。
廃屋の全体が見える草むらまで走ったところで、Y君が戻ってくるのを待つしかない。
遠く廃屋の入口には、俺らが出入りしてる枠の部分から上半身を出してもがく
彼の姿が見えるだけだ。
ただ黙って俺らはY君が自力で戻ってくるのを待つしかできなかった。
ようやく戻って来たY君は、足から無数の血の筋を作っていた。
焦って脱出しようとして、入口の木の枠ででも引っ掛けたのだろうか。
そして初めて見るような恐怖の顔で
「もうここはやめよう」とだけ言って、さっさと一人で家へ帰ってしまった。
その日から夏休みが終わるまで、Y君とは会えなかった。
始業式の日、Y君は学校に来た。
驚いたことに、小太りのY君は見る影もなく痩せていた。
元々色白だったが、真っ黒に日焼けした同級生の中で、彼の紙のように白い顔は
こけた頬の影ができ、目だけがぎょろぎょろとして一層異様な感じだ。
俺ら廃屋探索仲間は「あの日に何かあったのか?何か見たのか?」と問わずには
いられなかった。
だがY君はただ「あそこはだめだ。もう行かないほうがいい」と繰り返すだけだった。
何日かした夏休み中の登校日、Y君は学校に来なかった。
彼の休みを知らせに来たY君の2歳上の姉さんが俺らにこう言った。
「あの子、よほど恐い目にあったみたい。毎晩うなされて寝込んでるの。
足にいくつも引っ掻き傷を作って、その傷もまだ治らないので今日はお休みさせる。
もしかしたら上級生からリンチされたんじゃないかって心配なのよ」
Y君の姉さんの話は俺らを震え上がらせた。
Y君の足首には強い力で掴まれたような指の跡のようなアザができ、
太腿には縫うこともできない深い傷があったらしい。
実際、夏休みが明けた始業式の日、Y君は長い間白い包帯を太腿に巻いていた。
その傷がかなり深かったことがうかがえる。
包帯が取れてからも、Y君は傷を気にしてか長ズボンしかはいていなかったのだ。
体育の時間に着替えてる彼の太腿には、確かに3本、ケロイド上の筋が縦に入っていた。
あの日以来、俺らも恐くなって廃屋には行っていない。
Y君も怯えてその時の話は二度としなくなり、やがて俺らの仲間から外れていった。
あれは何だったのか?
現在、その廃屋は壊され、跡地には近代的なマンションがそこに建っている。
俺は幽霊を見たこともなければ、何かを感じ取る力もないが、
もしかしたらY君は廃屋に住む何かに、ここは遊び場じゃないんだと、体で教え
られたのではないかとも思う。
Y君は父親の仕事の都合で引っ越していったのだが、それも何かに導かれたのでは
ないかと思えなくもない。
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