「きみがもしも、『すぐに結果が出て欲しい、世の中がぐらりと動くさまをすぐみたい』と思うのだったら、
きっと無力感にもとらわれる。

しかし、もしも、『自分の生きているうちには仮に、なにも結果が出なくてもいい。
それでも、自分の生きているあいだに、ひとりとか、ふたりとか、同じ志を持つひとを見つけたらずいぶんと幸運だし、
子々孫々の代になって、ほんの1ミリでも世の中が良い向きへ動くのなら、
わたしがそれを見ることができなくても、わたしは生きて、戦って、良かった』と考えるのだったり、
あるいは『わたしが世の中をよくするために、自分なりに、自分のできる範囲で戦ったことに誰も気づかなくていい。

結果を求めるのじゃなくて、まず、わたしが、この蒼い天の下で、祖国の大地の上で、
誰が見ていなくても、誰も耳を傾けていないようでも、ささやかに戦いたい』と思うなら、
いささかも無力感に囚われることはない」