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男女間の修羅場を経験した話を書きますよ

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0001バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/03(水) 23:10:45.19ID:KLGvIiLq0
誰も居ない部屋で独り、ボーっとしてると、あんなこともあったなぁ……
なんて懐かしい昔の記憶が蘇ってきました。
だから、なんとなく書いてみようかなと思った次第です。
昔のことなので、脳内で都合のいいように変換されているかも
しれませんが、とりあえず書いていきたいと思います。

よかったら、お付き合い下さい。
0407バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:18:36.34ID:SXx2AtTZ0
それに、趣味の悪いスクーターのオーナーとかって、なんか物騒な感じがする
じゃないですか……すいません。ヘタレで。

とは言うものの、義姉の歳がいったいいくつなのかも知らないし
学生なのか仕事をしてるのかも分からない、そういえば、ボクはミドリの
家の場所は知ってても、電話番号は知らないんです。
0408名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 02:18:47.40ID:CH38FdCSO
後藤ちゃん支援
0409バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:20:49.47ID:SXx2AtTZ0
>>406
立派な、ダメンズなわけでして……
>>408
恐縮です。
――

というわけで、彼女の自宅を急襲、いやノンアポで訪問することにしました。
時間は彼女が家にいない時間の方がいいかと思って、まず金曜の午後
授業はサボりました。一度目は空振りです。

次は月曜日の午前。二度訪問の訪問です
0410名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 02:22:52.95ID:Wf7Czp0K0
やっと追いついた
がんばれー
0411バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:24:10.02ID:SXx2AtTZ0
>>410
ありがとうございます。
――

ボク達三人は、制服のシャツをパンツにピッタリと入れて
全ボタンを締めて、ネクタイを首まで上げたサラリーマンスタイルで
彼女の家の玄関前に立つわけです。

「ピンポーン」 緊張の一瞬です。

「はぁ〜い」

インターホン越しに若い女性の声。
0412バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:25:04.18ID:SXx2AtTZ0
ボク達三人は「居たっ!」と喜びと緊張の混じった感覚で
小さくガッツポーズです。
この瞬間に「もう戻れないぞ!」と思ったのを覚えてます。
いわゆる「賽は投げられた」状態です。
0413名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 02:25:54.10ID:C7IGUuFI0
おもしろいです

頑張れー
0414バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:27:13.92ID:SXx2AtTZ0
>>413
頑張りますー
――

「こんにちは。○○高校二年○組の山下と申します。
 妹さんの件でお話したいことがあります」

事前に何度も練習した言葉を噛まないように、マイクに向かって一気に話します。
ここで怪しまれては先に進むことができません。
0415バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:28:53.20ID:SXx2AtTZ0
「……今、開けますね……」

玄関に現れたのは、心配そうな表情の女性でした。
ボク達は、さっきインターホンに向かって言ったことと同じ内容のことを
言いました。大事なことなので2回言ったわけではありません。
0416バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:29:50.24ID:SXx2AtTZ0
すると女性は、ここでは話がしにくいので近所のファミレスで
待っていて欲しいと言うと、家の奥へと消えていきました。

指定されたファミレスで待つこと約30分、先程の女性が現れました。
ボク達三人は直立してから90度の礼でお迎えします。百貨店の店員並だし。
0417バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:31:08.58ID:SXx2AtTZ0
不安げな表情の女性が自己紹介をしてくれました。

「はじめまして、ミドリの姉の○○です」

普段はダラダラしてる3人ですが、この時はできるだけ好印象を与えようと
いつもの3割増くらいの気合で話します。面接の要領です。

「ミドリさんと同じクラスの山下、虹ヲタ、メカ夫です」
0418バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:32:30.27ID:SXx2AtTZ0
「妹のことでは、ご心配をお掛けしてすいません」

本当に申し訳なさそうに、お詫びをする女性。
そんなに謝られたら困ってしまいます。別に彼女がボク達に
迷惑をかけたわけじゃないですし、今の状況だってボク達、いやボクが
勝手にやってて、残りの二人は渋々つき合ってくれてるだけなんですから。
0419バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:33:07.71ID:SXx2AtTZ0
虹ヲタとメカ夫は、黙ってこっちを見る、
どうやら、ここから先はボクのターンらしいです。
ボクは相当テンパっていたので、何をどう説明したのか覚えていないです。
0420バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:33:58.48ID:SXx2AtTZ0
それよりも、まず自分がいったい何をしたいのかが
自分でもよく分かっていなかったから。
でも、内容は伝わらなかったかもしれないけど、必死さは
伝わったんじゃないかと思います。
0421バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:35:06.57ID:SXx2AtTZ0
「あなたが山下さんだったんですね。妹からよく話を聞いてましたよ。
 中学の頃からね。そういえば夏休み前かな、あの子、その頃すごく
 楽しそうだったんだけど……」

非常に辛いところから話は始まりました。
そこを突かれると、ちょっと心が痛いです。
0422バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:35:58.81ID:SXx2AtTZ0
なんだか気まずい雰囲気が漂い始めたんですが、ボクは三人で
事前に打ち合わせたシナリオ通りに進めます。

「彼女に何があったのか、ご存じないですか?」

直球勝負です。
0423バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:36:44.92ID:SXx2AtTZ0
お義姉さんからは一瞬の間を置いて、一見関係のないような言葉が出てきました。

「実は私、来年結婚するんです」

「はい……?」

話の流れが掴めず戸惑い、顔を見合わせる三人。

「私、あの子と二人で住んでるから、あの子一人になっちゃうのよ」

その言葉で事情が分かりました。
そうでした、この姉妹は二人で住んでいたのでした。
0424バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:37:41.48ID:SXx2AtTZ0
「それが悲しいと(ああなるのか?)」

ボクは言葉の後半部分を飲み込んだ。

「それを伝えたのが、ちょうど夏休みだったかな。
 あの子ショックだったみたいで……それと……」

お義姉さんは、言っていいのかどうか躊躇う様子。
0425バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:38:34.08ID:SXx2AtTZ0
「彼女の昔の仲間のことですか?」

ボクは思い切って言ってみた。この辺が核心になりそうだったので。

「……そう、知ってるんだ……」

お義姉さんは、ポツリポツリと噛み締めるように説明してくれました。
0426バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:39:46.13ID:SXx2AtTZ0
妹、つまりミドリは、父の再婚をきっかけに荒れていた時期があったこと。
(荒れていたといっても、派手な格好で、似たような子が集まった
 グループに居ただけとの説明です)
0427バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:40:09.29ID:SXx2AtTZ0
義母との折り合いが悪いせいで、今は両親とは別居状態であること。
妹の前に現れたのは、たぶん荒れていた時期の仲間だと思うけど
転校後、昔の仲間とは全く付き合いがなくなっていること。
0428バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:41:04.72ID:SXx2AtTZ0
だから、そいつにしてもストーカーみたいに付きまとっているだけで
妹も困っているハズだと。

ボク達三人は、まだ釈然としない表情だった。

今の説明を聞いても、彼女が華麗な変身を遂げた合理的な説明が
つかなかったから。

そして、お義姉さんは続けます。
0429バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:42:08.74ID:SXx2AtTZ0
「あの子、ひとりでスゴく不安なんだと思う……中学の頃も……
 お父さんの再婚からあんなふうになっちゃったし……
 たぶんだけど……あの子、一人になりたくないんだと思う。
 だから、誰かに助けて欲しかったんじゃないかと思うの。
 夏休みの間もずっと山下さんからの連絡を待ってたみたいだったし」

この言葉を聞いて、三人がビクッと固まります。ボクは頭を抱えます。
0430バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:43:05.81ID:SXx2AtTZ0
虹ヲタとメカ夫の目が痛い。どうやらボクは彼女に期待させるだけ
期待させて肝心な時に逃げてしまったことになっているようです。
しかも、絶望まで与えてしまった様子。
0431バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:44:04.31ID:SXx2AtTZ0
激しく落ち込むボクと、それを責める視線の二人を見て
お義姉さんは慌てて言葉を続けます。

「違う違う、山下さんを責めてるわけじゃないのよ。
 私がいけないんだから……今回は、私が居なくなることが凄く不安
 なんだと思うの。
 そこに、現れて欲しくない昔の仲間が現れたりしたから、あの子は
 もうどうしていいのか分からなくなって……」
0432バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:45:00.38ID:SXx2AtTZ0
それで、転校前の頃みたいになってしまったと。

その時は結果として、お義姉さんが自分を救ってくれたという一種の
成功体験みたいなモノが、彼女の深層心理にあるのかもしれない。

ということは、今回も誰かが彼女の前に現れて彼女を絶望の淵から
救ってあげないといけない。それがボクでいいのか……?
0433バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:45:59.42ID:SXx2AtTZ0
重い空気が4人を包んでいる。虹ヲタとメカ夫の目がボクに
鋭く刺さっている。痛い。
彼らの目は「お前が悪い」という非難の眼差し。
0434バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:46:48.23ID:SXx2AtTZ0
そうだろうな、彼女が一番助けを必要としていた時期にその期待を
裏切って逃げ回ってた奴が、誰あろうボクなんですから。

でも、言い訳をさせてもらえるなら、ボクはその辺りの事情を全く
知らなかったわけで……
0435バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:47:38.86ID:SXx2AtTZ0
知ってたら、絶対に彼女を助けに行きましたよ。
逃げたりなんてしません。たぶん……

沈黙に耐えられなくなった虹ヲタが、口を開きます。

「お義姉さん、大丈夫ですよ。
 妹さんのことは“コイツ”に任せてください」

って、えっ? ボク? ですか?
0436バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:48:24.59ID:SXx2AtTZ0
メカ夫が続きます。

「そうですよ“コイツ”なら絶対に妹さんを元気な姿に
 戻せますから。もちろん、ボク達も手伝います」

やっぱり、ボクなんですよね?
0437バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:49:27.04ID:SXx2AtTZ0
自信満々で無駄に力強い言葉を聞いて、お義姉さんは安心したような
不安なような複雑な表情をしてました。

あと一押し、ボクの決意表明があれば、その表情が少しだけ安心側に
振れそうな雰囲気なんですが……
0438名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 02:50:07.05ID:SUP7ftQ20
うむ、頑張って欲しいわ
0439バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:50:16.55ID:SXx2AtTZ0
基本的にヘタレなボクは、なかなか言葉が出ないわけです……

もう友達二人は怒りの目になってます。爪でテーブルをカチカチと
叩き始めています。テーブルの下で足も踏んづけてきました。
0440バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:51:14.33ID:SXx2AtTZ0
>>438
もうちょいで頑張れそうです。
――

『いい加減、覚悟を決めろ!』という声が聞こえてきそうな目と
態度だったです。
お義姉さんはというと、期待と不安に満ちた目でボクを見つめてます。
三人の視線に後押しされて、ついにボクはその決意を口にすることに
なります。
0441バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:52:21.91ID:SXx2AtTZ0
「ボク、彼女を助けたいんですっ!
 余計なお世話かもしれないけど……」

「山下さん……」

お義姉さんの顔が一瞬、輝いたように見えました。

決意表明、所信表明演説、なんでもいいから更に続けます。
0442バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:53:12.08ID:SXx2AtTZ0
「今日は、お義姉さんにそれを伝えたくて会いに来たんです。
 だから……彼女にもう一度笑って欲しいから……
 精一杯やってみますっ!」

虹ヲタとメカ夫が大きくうなずき、テーブルの下で拍手したように
見えました。
0443バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:54:04.51ID:SXx2AtTZ0
お義姉さんは、号泣状態でボク達三人の手を取って喜んでくれました。
あの子をよろしくお願いしますと、深々と頭を下げて帰っていきました。

言っちゃったよな……こりゃ責任重大だぞ……
他人の人生背負っちゃった感じだし。
ボクと二人の友達は自分達の発言の重さに、かなりビビッてました……
0444バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:55:25.96ID:SXx2AtTZ0
切りのいいところまで投下できましたので
続きは明日ということで、お願いいたします。

それでは、おやすみなさい。
0445名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 02:56:36.67ID:SUP7ftQ20
乙!
明日も読みます
0446バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 02:59:07.79ID:SXx2AtTZ0
>>445
長時間お付き合いいただき、感謝です。

明日も来るのは、夜になると思います。
0447名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 03:02:39.49ID:NjIAP5/G0
乙!
まってます
0448名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 03:07:19.41ID:SYylVozU0
おつ!
0449名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 03:08:06.46ID:i4WRybBa0
乙でした!
昨日も寝不足で今日も寝不足だ…
0450名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 03:08:14.48ID:xNrhXI0M0
メスの心理なんてわかんねーなー
0451名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 03:24:17.45ID:EnRze/Yt0
お疲れ様です!話の中に引き込まれるわ
0452名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 03:55:50.61ID:KYIfwysz0
読みやすいよ 明日も待っている!
0453名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 04:25:28.01ID:dqntqlDSO
追いついた。
今晩が楽しみだ。
0454名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 04:29:11.12ID:RnKAozPg0
乙です!明日も宜しくです!
0455名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 05:10:47.90ID:lVqNYC2t0
独特の文体で読ませるな〜。
癖になりそうw
0456名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 06:56:55.81ID:icnDE3Hf0
これは面白い話支援
パンツいつはけばいい?
0457名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 07:29:45.38ID:IMwvgOtG0
まだまだノーパンで過ごすのさ。
0458名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 07:41:19.05ID:xNrhXI0M0
お前らはパンツなんて履いてなくても生活に支障ないだろ

窓から捨てろ!
0459名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 11:29:58.03ID:8hyJuCyM0
今北産業
0460名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 14:26:34.45ID:JZtDiVll0
ダラダラ、ナルシスト、ありきたり過ぎて却って珍しいくらい陳腐な表現と展開の羅列
どこをどうひっくり返しても物書きが生業ではない
肝心の文章がゴミだから

こいつ前にも似たような創作して叩かれていたが、そこにもあったお気に入りの表現、まんま今回も流用とか
しかもそれが滑る滑る
それが大した進歩もしてないのに急にウケてるな
不思議でならん

お前ら普段どんだけくだらねぇ本読んでるんだ?
0461名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 20:35:40.41ID:Wf7Czp0K0
続きが楽しみだー!
0462名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 20:39:05.04ID:tA6KMPQO0
今日も来るよな、待ってるぜい。
0463名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 20:40:55.52ID:VEomrghN0
俺は読んでるからな
支援保守
0464名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 22:43:14.65ID:+xBInFaII
待ってるぞー
0465名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 23:04:51.56ID:DTR3B3F+0
あれ、今夜は無いのかい?
0466名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 23:15:40.76ID:lxLzp2GT0
深夜に始まるのさ。大人の時間に。
0467バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:45:34.19ID:SXx2AtTZ0
こんばんは。

そろそろ投下を始めたいと思います。
たぶん、今回で終われる予定です。
0468名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 23:46:45.64ID:xNrhXI0M0
きたな!
0469バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:48:10.68ID:SXx2AtTZ0
昨日の続きからです。
――

それからボク達三人は、ファミレスに残って今後の作戦会議。
やっぱりカナブンとの対決は、避けれそうにないことが分かったけど
どうすればいいのか具体策はなかった。
0470バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:48:58.67ID:SXx2AtTZ0
>>468
きました! ちょっと遅くなりましたけど。
――

それに彼女の本当の気持ちが分からない以上、万一、カナブンを
退治できたとしても、その後に「余計なことをしてっ!」恨まれる
可能性もゼロじゃない。
0471バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:49:58.95ID:SXx2AtTZ0
というわけで、やっぱり彼女本人と話をしなきゃ始まらないという
結論になりました。なんというか……あまりにも当然の結論です。
って、最初に気づけよ。
いや最初に、やったけどダメだったんだってば。
0472バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:50:45.46ID:SXx2AtTZ0
そして、カナブン退治に彼女が同意すれば、もう直接対決しかないとなった。
う〜ん、正直なところ気が重い。鬱だし。

ボク達は、さっき聞いたお姉さんの携帯に連絡して彼女にボク達が話を
したがってることを伝えてもらうことにした。あとは明日。
0473名も無き被検体774号+2012/10/06(土) 23:50:53.38ID:LQV7ZpkI0
待ってたぜ!
0474バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:52:07.56ID:SXx2AtTZ0
>>473
お待たせです。
――

翌日、彼女は遅刻せずに登校してきました。
ボク達を探すように、クラスを見渡しながら入ってくると静かに自席に着く。

クラスの視線が、彼女に集中している。ちょっと可愛そう。
0475バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:53:09.47ID:SXx2AtTZ0
ボクは、これまでと同じように「おはよう」と言い
続けて「昼休みにPCルームで」と告げました。

反応はなかったけど、とりあえず伝わったと思う。
0476バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:53:56.19ID:SXx2AtTZ0
それからの時間、ボクの緊張はどんどん高まることになります。
背中に彼女の視線が刺さっている気がします。気のせいかもしれないけど。
休み時間には後ろを振り返り、適当に話をしているフリを続けます。
0477バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:54:47.18ID:SXx2AtTZ0
そうしないと、彼女は一人になってしまいますからね。それは辛いでしょう。
彼女は返事はしませんが俯きながらも、上目遣いに視線を送ってくれます。
それは、きっと期待している証拠。
0478バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:55:31.40ID:SXx2AtTZ0
お義姉さんから大方のことは、聞いているに違いないし。
ボクは彼女に期待されているという嬉しさの反面、これから自分に
起こるであろうことへの不安でいっぱいでした。
0479バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:56:31.28ID:SXx2AtTZ0
緊張の昼休み。

ボク達三人はPCルームでパンをかじりながら待っていました。
すると、扉が少しだけ開いて誰かが中を伺っている気配。
ボク達はできるだけ明るい声で彼女を迎えます。
0480バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:57:19.17ID:SXx2AtTZ0
「ミドリかな? 待ってたよ」

その声に促されて不安げに、そしておずおずと入ってくる彼女。
しかし、姿と表情がこれだけギャップのある子もないよなぁ。
ビッチスタイルなのに不安気って、やっぱり相当無理してるんだな。
0481バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:58:02.63ID:SXx2AtTZ0
ボク達三人は彼女を刺激しないように、できるだけゆっくりと話しました。

そして……ボクの気持ちは夏休み前のままだし、今でも彼女のことを放って
おくことはできないと思っていることを、精一杯伝えました。
0482バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/06(土) 23:59:09.00ID:SXx2AtTZ0
もちろん、夏休みに連絡できなかったお詫びもしましたよ。
たくさんの言い訳を添えて。

そして、カナブンのことはボク達でなんとかするし、何の心配も
要らないと伝えました。

本当は、こっちが心配だらけだったんですけど。
0483バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:00:09.92ID:SXx2AtTZ0
調子に乗って、お義姉さんが結婚で家を出た後はボクが……

と言いたかったのですが、それは問題が解決してから
別の形で伝えることにしました。
0484バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:01:05.65ID:SBzO9ltG0
彼女は黙って話を聞きながら、静かに泣いていました。
こちらの話が終わると、彼女は消え入りそうな声で呟きます。

「ありがとう……」
0485バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:02:01.21ID:SBzO9ltG0
早速、その日の帰りから作戦実行。

といってもボクと彼女が一緒に帰るだけ。部活は当面休むことに。
そうすれば、そのうちカナブンが出てくるだろうという読み。
0486バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:03:01.86ID:SBzO9ltG0
万一、なにかの気まぐれで奴が出てこなければ、超ラッキー。
ボクと彼女の、ハッピーエンドが待っているハズ……

って、そんな都合のよい話はナイだろうけど。
0487名も無き被検体774号+2012/10/07(日) 00:03:19.70ID:SyPZpVM60
オレの高校時代とはえらい違いだ
羨ましいわ
0488バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:04:23.61ID:SBzO9ltG0
>>487
平和な方が、よかったと思いますよ。
――

ボクと彼女は、できるだけ自然に二人並んで歩き、その後ろを
虹ヲタとメカ夫が、バイクで尾行する。

最初の一週間は、何も起こらなかったです。
0489バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:05:27.82ID:SXx2AtTZ0
1日目は、彼女と少し距離が開いた状態で帰りました。ずっと無言
2日目は、並んでみた。やっぱり無言
3日目は、ピッタリ寄り添う形になった。でも無言。
4日目は、彼女から腕にしがみついてきた。震えてる。少しだけ話した。
5日目は、お互いの手を絡めてみた。昨日よりも話ができた。

う〜ん、正直疲れた。汗だく。ヘトヘト。
0490バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:07:06.30ID:SBzO9ltG0
週末は会うことはなかったけど、時間を見つけては電話もメールもしましたよ。
もう、夏休みのような失敗を繰り返すわけにはいかないですからね。

もし彼女の様子に変わったことがあったら、すぐにでも飛び出すつもりで。
0491バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:08:19.31ID:SBzO9ltG0
彼女は、どちらかというと電話よりもメールの方が話しやすい?
というか、字面が落ち着いた雰囲気でしたね。
メールの行間には、沈黙が表現されませんから。
0492バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:09:01.57ID:SBzO9ltG0
二週間目。

先週と同じく彼女はボクの腕にしがみついている。正直なところ歩き辛い。
でも、悲壮感が少し減ったように見えたのは良かったかも。
0493バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:10:07.88ID:SBzO9ltG0
時折だけど、ボクの顔を見て微笑んでくれるようになったし。
週末の会話で、少しほぐれたのかな。
そして、天気のこと、学校のこと、みたいな会話がポツポツと
できるようになりました。
0494バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:11:06.01ID:SBzO9ltG0
このまま何も起こらなければ、いいのになぁとか考えるようになった頃……

やっぱり現れた。カナブンだ。

彼女がボクの背中に隠れて、ぎゅっとしがみついてくる。
後方からメカ夫のバイクのエンジン音が高くなり、近づいてくるのが分かる。

カナブン号から男が降りて、こちらを見る……
0495バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:12:32.73ID:SBzO9ltG0
打ち合わせ通りにメカ夫にミドリを託して、虹ヲタとボクの二人で
カナブンと対峙する。

相手は無言……

こちらも無言……
0496バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:13:54.92ID:SBzO9ltG0
こちらとしては、戦闘開始まで時間があればあるほど有利。
なぜなら、ミドリを自宅に避難させたメカ夫が合流すれば3対1になるから。
相手よりも、人数が多いに越したことはない。
0497バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:16:01.14ID:SBzO9ltG0
どのくらい時間が経ったかな、カナブンが何か話しそうな雰囲気。

沈黙で交渉が進まなくなった時は、先に話し始めた方が譲歩する場合が
多いと聞いたことがある。
でもそれは、交渉の場合。武力衝突には適用されない法則だと思います。
0498バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:16:58.47ID:SBzO9ltG0
虹ヲタはさておき、ボクは元々が口数が多い方じゃないから
沈黙は怖くない。何時間でも黙っててやりますぜ。

こちらの作戦を知ってか知らずか、カナブンが遂に口を開く。

「あんたら何者?」
0499名も無き被検体774号+2012/10/07(日) 00:17:31.71ID:SyPZpVM60
全くどーでもいいが
30代ってウソだろ?
本当は20代後半だろ?
0500バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:17:39.24ID:SBzO9ltG0
すぐにでも詳細を説明したい気持ちを、ぐっと堪えてボクは……

「何者だと思う?」

質問返しとは、我ながらひねくれたもんです。
とりあえず相手に、頭を使ってもらいましょう。
その分、こちらには考える時間も情報も増えますから。
0501バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:19:12.27ID:SBzO9ltG0
>>499
その辺は、ご想像にお任せします(笑)
――

少しイラついた表情を見せながらカナブンが続けます。

「その制服は○○高校だろ。ミドリの知り合いかなんかだろ?」

「だったらどうする?」

あくまでも、とぼけて交渉のテーブルに乗らないボク。
0502名も無き被検体774号+2012/10/07(日) 00:20:52.04ID:UtCtA0Jq0
>>1きてたー!見てるよ!
0503バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:21:00.75ID:SBzO9ltG0
というか、何をどう交渉したらいいのかまったく分からないし、こうやって
言葉遊びをしてる中で何か突破口が見つかれば……とか思ってたのが本音。
すると……

「どっちが、彼女と付き合ってるんだ?」
0504バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:22:27.87ID:SBzO9ltG0
>>502
きましたー! ありがとー
――

意外なことを意外なトーンで言い出すカナブン。コイツの言葉に怒気はない。
ボクは、ひょっとしてコイツは悪人じゃないのかも? という考えが頭をよぎる。
だから、ちょっと話をしてみようかという気になったですよ。
0505バース ◆H0fjJ5ft/U 2012/10/07(日) 00:23:54.94ID:SBzO9ltG0
「今のところ付き合ってるとかはないけどね。
 ただね、彼女がアンタを怖がってるみたいだから
 ボディーガードみたいなもんだ、と言えばいいかな」

「そうか……」

この一言からカナブンが語り始める……えっ?語り始める?!
0506名も無き被検体774号+2012/10/07(日) 00:24:35.83ID:SyPZpVM60
野暮な質問だったな
スマン続けてくれ
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