「強制手段」に当たらない有形力の行使は、任意捜査においても許容され
得るが、何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるから、必要性、
緊急性なども考慮した上、具体的状況の下で相当と認められる限度におい
て許容される。
　　警察官が、酒酔い運転の疑いが濃厚な被疑者Ａを警察署に任意同行し
、呼気検査に応じるよう説得を続けるうち、母親が来れば応じる旨述べた
のでその来署を待っていたところ、Ａが急に退室しようとしたので、説得
のためその前に立ち、両手で左手首をつかんだ行為は、任意捜査において
許容される有形力の行使である。 （最決昭51・3・16）


「必要性、緊急性なども考慮した上、具体的状況の下で相当と認められる限度におい
て許容される。 」とかっこつけてるが、実は「有形力かどうかはその場その場で裁判
官が色々勘案して政治的に決める」といっているに過ぎない。ここが
真の法である。