ジャーナリスト釈放せよ 世界の新聞が対中スクラム (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080324/chn0803241912008-n1.htm
 今年8月に北京五輪を主催する中国政府が多数のジャーナリストを拘禁している問題で、
世界新聞協会(WAN)が被拘禁者の釈放を求めて、世界中の新聞社などに中国に対する
抗議広告の掲載を呼びかけている。海外ではすでに多くの新聞社が広告を掲載した。
さらに多くの新聞社が同調し、中国政府への圧力が高まることをWANは期待している。
(田北真樹子)
 「次の五輪を観戦するつもり?」
 「中国は誰も破れない記録を保持する」
 WANが作成した広告は2パターン。いずれも、中国で報道や言論の自由が奪われている
惨状を詳述している。
 WANの調べによると、現在、中国で30人以上のジャーナリストと約50人の
インターネット反体制派が服役中で、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」も
ほぼ同じ人数を確認している。いずれも、中国政府による農民の土地の強制接収の告発や、
政府の腐敗などを報じたケースという。
 今回のチベット騒乱でも中国は、海外メディアによる現地取材を一切拒否している。
「国境なき記者団」が発表した2007年の世界報道自由度ランキングによると、中国は
169カ国中163位。五輪を取材する外国メディアの間でも、取材への影響を懸念する声が強い。
 WANは、中国が2002年、五輪主催にあたり「すべての側面においてオープンになり、
国際基準に従う」と表明したことは全く守られていないと指摘。「実際は表現の自由への弾圧を強め、
果敢に口を開いた者の投獄やいやがらせを続けている」として、報道や表現の自由への対応に改善が
見られない点を非難している。
 WANによると、キャンペーンは昨年11月から開始し、英語のほか独仏、アラビア語など
10カ国語で広告が作成されている。インターネットを通じて世界の新聞社などに広告の掲載を
呼びかけており、これまで米紙「USA TODAY」、ポーランドの無料紙「メトロ」、
英地方紙「バーミンガム・メール」などが広告を掲載したという。