慎重であるはずの里見が細胞診を行わないのはおかしいとする財前に対し、
出血が観られるから下手にやらず直ぐ手術した方がいいとし、その診断に安堵した財前という図式。
ごく小さな疑いさえ見逃さない里見にあって、内視鏡に拠る目視だけでも相当に進行してると思ってるだろうことは
容易に想像がつくと思うけどね。それでも告知しない傾向にあったのが当時。淡々とした里見はまさしく
あの時代を象徴する場面だったように思う。