岩城滉一「なんだよ優作さん、朝鮮の血が入ってるの国籍だのどうってことないじゃん。あんたちょっと深刻に考え過ぎだよ。だいたいさあ、芸能界は在日や部落の出自持ちだらけじゃん。」

松田優作「お前はそう言うけどもな、ファンや一般人はそんな優しいもんじゃないんだ。親身な付き合いをしていてもお互いケンカになると“この朝鮮野郎!”でおしまいだ。その一言で全身の力が抜けて行く感覚はお前にもおぼえがあんだろがよ。」

岩城滉一「そんな奴ぶん殴ってやりゃいいじゃないの。」

松田優作「ぶん殴ってきたさ。人一倍な。しかしどの道悪いのは俺だという話になるだろ。朝鮮人だからで片付けられるのがオチなんだよ。だから俺の出自については喋るんじゃないぞ。お前と俺とは端的にそこのセンシティビリティが違うんだよ。」

岩城滉一「ああ、わかったよ。もう優作さんにはアドバイスしないことにしたよ。」

松田優作「アドバイスするとは何だお前?偉そうに。いい加減にしろ!」

岩城滉一「を?殴る気?俺を殴るのか?あんた器が小さいよ。」

松田優作「うるせえ、表に出ろ!この太郎冠者!」