>>953

>あのとき勇作が、懐からウイスキーを取り出しますね。
>その様がいかにも「落ちぶれた感じ」で良かったです。

 勇作が猛との「最後の取引」に臨む姿をみていると,落ちぶれた
だけではなく,錯乱状態に陥っていましたね。宗教にはまり,ひかる
を追い出したい静子に対しても,「俺は絶対にひかるを離さない」と
豪語する勇作。本編では出ませんでしたが,おそらく酒浸りになって
いたのではないでしょうか。一人の男の浮き沈みについてもリアルに
描かれていました。あのシーンがまさに針がふりきれたところでしたね。
その後は,大河原旅館の失火と猛によるひかるの救出を目の当たりにした
勇作がひかるとの夫婦生活を諦め,ドロドロした展開に幕を閉じるという
絵に書いたような終わり方でした。視聴者を釘付けにした展開であったのも
うなづけます。
 勇作をめぐっては,過去の「コアな話」の掲示板でも取り上げられ
ていましたが,戦中編では大河原商会が軍部(陸軍の甲府連隊?)と
の関わりが深いために,部下の石川さんと共に軍服を着て仕事をして
いた点も見逃せません。また,「これは本当のコーヒーですよ。大豆
のまがいものではありませんからね」という台詞も時代考証のうまさ
がうかがえます。