【ピュー】愛の嵐 華の嵐 夏の嵐 【ピュー】
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02/11/09 23:01ID:AFXshYXkそれも実の親子ではないために、かえって観念的に昇華された「父」。
実の息子「文彦」が拙い方法だったとはいえ、
絶えず「父殺し」を素直に試みえたのに対し、
「猛」には、そのチャンスすらないままであった。
「ひかる」を奪って逃げることがあれば、それは「猛」にとっての「父殺し」。
しかしその前に「傳右衛門」の方から「ひかる」との結婚話を出される始末。
「父殺し」にはほど遠い状況に「猛」は置かれていました。
ところが「大河原」が脇から出てきて、「父殺し」を代行してしまった。
それゆえに「猛」の「大河原」は、
「傳右衛門」の「敵」であり、同時に「傳右衛門」の「代理」になってしまう。
要するに、「傳右衛門」になり代わって「復讐」するという表面的ストーリーの裏に、
「傳右衛門=大河原=ひかるの保護者」を「殺す」という
サブストーリーがあったということです。
# このため、「大河原」に復讐せず、「ひかる」と結ばれるという
# ストーリーは本質的にありえなかった。
こうした作品世界を保証するために、
そうした関係から「超越」した次元として「和尚」が必要でした。
いうまでもなく「父殺し」終了の判定役としてです。
ある意味「傍観者」として「達観」して眺めることが許されていた存在でしたから。
旧「愛の嵐」のラストでお寺のシーンがあったのは偶然ではなかった訳です。
そういう「和尚」として、故内田氏の和尚は実に見応えがありました。
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