ロシア ドーピング 国際大会4年禁止 五輪・パラは個人 処分案

ロシアの組織的なドーピング問題でWADA=世界アンチドーピング機構は、ロシア側が処分解除の条件だった提供データを改ざんしたとしてロシアの国際大会への参加を4年間禁止するとともに、東京オリンピック・パラリンピックについては厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとする処分案を、来月の常任理事会に諮ることを明らかにしました。

ロシアの組織的なドーピング問題をめぐって、WADAは隠蔽工作が行われた検査所で保管されている選手のすべてのデータを提供することなどを条件に、去年、ロシアに対する処分を解除しました。
しかし提供されたデータに改ざんの可能性があることがわかり、コンプライアンス審査委員会が再調査を行ったうえで来月の常任理事会で処分の判断を示すことになりました。

WADAは25日、コンプライアンス審査委員会がまとめた処分案の詳細を発表し、ロシア側が提供したデータには少なくとも数百か所の置き換えや消去があったとして「極めて深刻な規定違反」だと結論づけたことを明らかにしました。

そして、ロシアの主要な国際大会への参加を4年間禁止するとともに、東京オリンピック・パラリンピックについては厳しい条件を満たした選手のみ個人資格で参加できるとしています。

WADAは、規定を順守しない国や地域を主要な国際大会から排除できるよう、去年、権限を強化していて、来月9日の常任理事会でこの処分案を検討する方針です。

ロシア側はCAS=スポーツ仲裁裁判所に不服を申し立てることはできますが、処分が確定した場合にはピョンチャン大会に続いて東京オリンピック・パラリンピックでもロシアは国として参加できなくなります。