羽生とチェン拮抗 ファイナル勝利の鍵は/小塚崇彦(日刊)

羽生選手はSP、フリーとも「落ち着き」が1つのキーワードだと感じた。SPでは後半の4回転トーループはややゆがんで着氷したが、体勢を整えて続く3回転をつけた。
フリーでは冒頭の4回転ループの軸が外れていたが、着氷時に落ち着いて対処していた。乱れに気づいて焦れば
、どちらも大きな減点につながっていた場面。シニア10年目の経験値を生かし冷静に対処したと思う。

「落ち着き」はジャンプだけではなかった。フリーでは中盤の4回転トーループが2回転になると、以降のジャンプの予定を全て変えた。
持ち前の計算力で、マイナスを最小限に留める構成を冷静に判断する強さがあった。

ファイナルではチェン選手と戦うが、実力は拮抗(きっこう)しているだろう。現行のルールはいかに「塵も積もれば」と得点を積み重ねるかだが、
今度は少しずつのマイナス部分を積まないかが問われるだろう。体勢が整うまで耐えることが必要なジャンプではなく、タイミングをばちっと合わせていくこと。そうすればSPで110点、フリーで200点以上を超えていくのは目に見えている。

日本男子勢の島田選手はフリーで後半組で滑れたことが大きい。山本選手もケガからよくここまで戻ってこれた。その下の世代も迫ってきている。全日本選手権での争いに注目したい。