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── CMでは、子どもたちの楽しげな様子も映されています。羽生選手は、スケート教室で子どもたちが滑っている時のどんな姿が一番好きですか?

羽生 「やっぱり一生懸命な姿ですね。(スケート教室で)最初はあまり集中できていなくて、(子どもたちは)わちゃわちゃとはしゃいだりして大変なんですけど、スイッチが入ると一生懸命やるんですよね。
その瞬間がカワイイと思いますし、そういう時に背中を押してあげたいなっていう親心みたいなものにもなります。(自分にとっても、子どもたちの姿は)原点回帰というか、自分の気持ちの中にずっと幼い頃の自分がいて。
自分が昔、一生懸命やっていたのを覚えているので、その子(幼い頃の羽生選手)に対しても、自分も真摯に向き合わないとなと思いながら、練習するようにしています」

── 振り返ってみると、幼少期と少年期、羽生選手はフィギュアスケートに対して、どのように取り組まれていたのでしょうか?

羽生 「始めたての頃は、とにかく姉についていこうと思って練習をしていました。(始めたのは)4歳だったので、そんなに記憶も定かじゃないんですけれど、とにかく最初は姉に追いつこうと思っていました。
その後、だんだん先生が厳しくなって、すごく練習したくなくて(笑)、毎日毎日泣いて、『スケートやめたい!』って言っていた記憶があります。
(先生が本当に厳しいのは)期待してくださっていたからだと今は分かるんですけど、当時の自分にとっては、『なんでこんなに怒られないといけないんだろう』と思いながら練習していました(笑)」

── 青年期では、フィギュアスケートに対してどのように取り組んでいましたでしょうか?

羽生 「その頃はやっぱり、自分のリンクがなくなったりできたり、またなくなったりみたいなことを何回か繰り返していたので、練習の大切さをあらためて感じていました。
練習に対して、真面目に、積極的に取り組むようになっていましたし、日本代表としての気持ちが強くなっていて。日本代表のジュニアの選手として、そしてシニア(クラス)上がりたての選手としての自覚は、芽生えていたかなと思います」