>>202の続き
『万葉集』こそ「民主主義」の原点
約千三百年ほど昔に編纂されはじめたと思われるこの『万葉集』には、
わが民族の本質が反映されていると確信しています。これは「作品集」なのです。
各巻ごとに「歌の形式」「歌のテーマ」「おおよその時代順」で区別してまとめられています。
歌った人の身分や立場の差別は一切ありません。当然男女の差も、一切関係ありません。
男女のみならず、天皇もホームレスも政治犯もまったく同列に並べてあります。
ただ「作品」として扱っているのです。これこそ「民主主義」の原点です。
「民主主義」では古代ギリシャが有名です。かの国の民主主義は「選挙によってリーダーを選ぶ」システムに象徴されていますが、
実はその選挙権は、「正式市民の成人男子」のみに与えられていたものです。
女性は選挙権どころか離婚の自由も得ていなかったのです。
私は真の民主主義のあかしである『万葉集』を、日本人として誇りに思います。
こういう国なのですわが国の本質は。いったいいつの間に、「男子中心」の国になってしまったのか、
それは前述したように、長年にわたる武家社会のシステムがそうさせたのでしょう。