高校生のとき、母が事故で死んだ。父はだいぶショックを受けていて、葬儀のあった夜、
客人達を見送ったり雑用をこなした私がうちに入ってきたのを見て、
母さんが帰ってきた!と叫んだほどだった。
その後も朝から私を母と間違えたり、私のことを母の名前で呼んだりしてた。
私自身も母をなくして辛かったから、ある日父に向かって、
お母さんは死んだんだ、もう帰ってこないし私はお母さんじゃないと怒鳴って、泣きながら家を飛び出した。

おば(母の妹)の家に行ってそんな話を聞いてもらっていたら、
おばから、私は母に似ているから、みたいなことを言われた。
だけど私はずっとうちの中では父親似だって言われたし、
母もことあるごとに、私は何から何まで父にそっくりだって言って笑ってたから、びっくりした。
でも幸いなことに父はだんだんそういう状態から抜け出していって、
仕事にも復帰して家事も半分こして、二人暮らしで大学も出してもらった。