ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第六部
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0021BIOHAZARDV ◆xrS1C1q/DM
2009/06/24(水) 23:56:04ID:9185CQx2鳴り響く軽い音が2、いや、3。
イギーがザ・フールによって砂の防壁を生み出した。
来る方向の大まかな予測はついていたので楽に防ぎきる。
硬化を解除したことにより砂のカーテンが重力に負けて崩壊した。
三人の周囲を砂埃が包む。
人影すらも見えぬ状態が終息した時、そこにいたのはイギーとアバッキオ。
そして消えたホルマジオと同様、イギーも銃声のなった方向へ駆け出す。
残されたアバッキオは完全に無防備。スタンドを使ったとしてどこまで防ぎきれるか。
しかし、彼の下へ飛んでくる銃弾は一発もない。
「やっぱり放っておいても死ぬような怪我人は後回しにするってか?
俺には神様に頼むくらいしかできねぇが……帰って来いよ」
アバッキオの半ば呟くような言葉に後押しされたが如く、イギーは更に加速する。
硝煙の臭いも一瞬であったが確かに嗅ぎ取った。
角を数回曲がり、直線を何mも走りきる。
彼は焦っていた、アバッキオの命のタイムリミットが迫っていることに。
イギーは最初に臭いを感じ取ったポイントの手前であろう交差点へと辿り着いた。
周りを見渡してみるも人間の気配らしきものは一切感じない。
臭いを嗅いで見る……医薬品の香りがした。
(胡散臭せぇ、本当に胡散臭せぇぞこれは。いままでカビで隠していたのにどうして臭いが明らかになった?
……間違いなく罠だよな。チッ! 行くしかないってやつだよなこれは)
意を決して曲がり角を左へと曲がる。当然右側のチェックもしてだ。
敵の本体らしき人間はいない。
あるのはここら一帯で飽きるほど見てきた民家の塀。
樹高が5m程で統一された街路樹達。
よくある設計のありふれたマンホール。
交差点で事故を起こさぬために必要不可欠の道具、信号機。
そして無造作に投げ捨てられた人間の右腕。
切り口から流れ出る鮮血がまだ止まっていないので切り落としてからそう時間は経っていないのだろう。
(あの野郎の……腕……だよな? ってことはさっきの声はこれをやったときのヤツか?
けっ、本当に狂っていやがる。まさか自分で自分の腕をちょん切るたぁな)
恐る恐る近寄っていき、スタンドの腕で触れてみる。
………………何も起こらない。
が、害があるわけではないがとにかく不気味なのだ。
自分たちが進んでいく方向とは逆側に右腕を投げ捨てる。
落ちていく際にカビに包まれた肉塊。
(うへぇ……体から一度離れれば元々自分のものであってもお構い無しってかよ。
気色悪いとか胸糞割るいとかそういう次元じゃないぞ!?)
げんなりとした表情となるイギー。
これからどのように本体を探そうか思索しようとしたところで―――――
鉄塊に大砲を叩き込んだような音がした。
マンホールによって塞がれていた穴よりチョコラータは出。
音がした時点で振り返ったイギーであったが一歩遅れた。
両腕に装着した鉤爪を振り回すグリーン・ディ。
砂を展開して盾に、しかし集中を欠いた状態では強度に不安が。
刃の先が砂の壁を突破して現れた。
大分勢いがそがれているとはいっても喰らえば致命傷。
その一撃がイギーを捉え――――――――――毛皮にぶつかって止められた。
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