国王「王子はまだか」
兵「いましばらく」
国王「……監査官♂、この策、本当に通用すると思うか」
監査官♂「……」
国王「なにか応えてくれ。不安だ。だが、何か話しておらんと落ち着かん」
監査官♂「改めて、敬服します」
国王「儂は、敬服されるような王ではない。だが、この選択だけは間違いたくないのだ」
監査官♂「姉騎士様に言付けた文書次第にございます」

国王「儂は、歴史の分岐点に立ちたくはなかった」

国王「不安だ。不安で押し潰されそうだ」

国王「だが、この国は守る」

国王「や、約束しようぞ。最悪の事態が起ころうが」

監査官♂「王、弱気になっては――」

国王「こ、この儂の、首ひとつで、民衆が平和に過ごせるのであれば――」

扉が開く。


ロリ騎士「おうさま。東のそらが、焼けてます」

国王「おお。ロリ騎士か……いや」

国王「下がっておれ」

ロリ騎士「おうさま……泣いてるの……?」