コードギアス反逆のルルーシュLOST COLORS SSスレ37
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0001創る名無しに見る名無し
2009/02/24(火) 23:43:06ID:eaiT05oZ感想等もこちらで。このゲームについて気になる人はギャルゲー板のゲーム本スレにもお越しください。
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0341創る名無しに見る名無し
2009/03/05(木) 23:14:51ID:bTaKc7zr0342あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
2009/03/05(木) 23:15:32ID:w9GkRHWmモニター越しだがアーニャの視線が熱い。
「君と……また戦いたい……」
そして、一気に思っている事を言い続けた。
「こんなに楽しい戦いは、初めてだった。だから、もっともっと戦いたいと思ってしまったんだ。
それに、もっとアーニャの事が知りたい。そう思ってしまった。だから、また僕と戦ってほしい……」
カーーーッと顔が赤くなるのが自分でもわかる。
まるで、これじゃあ、告白みたいじゃないかっ。
そんな事が頭に浮かぶ。
えーーい、何を考えている、僕はっ……。
そんな僕に彼女は恥ずかしそうに返答をしてくれた。。
「うん……。私も楽しかった。だから……ライの事、もっと知りたい。また戦いたい……」
その返事を聞いて、感謝の言葉が自然と出る。
「ありがとう、アーニャ」
すごくうれしかった。
アーニャも僕と同じように感じてくれてたんだ。
また、戦える。
そう思うだけで、わくわくしてしまう。
だが、その気持ちは、無線に入ってきた言葉で一気にかき消されてしまった。
「あの〜、いいかなぁ〜」
そう、ロイドさんだ。
そして続けて「駄目ですよっ、ロイドさんっ、雰囲気読まないとっ」というセシルさんの声。
それって……つまり……。
「えーーーっ、ちょっと待ってくださいっ。もしかして、今の会話……筒抜け?」
「うん……」
苦笑したようなスザクの声。
「ごめん。なんかさ、言うタイミング逃しちゃって……」
そんなーーっ……。
僕は、絶句するしか方法を知らなかった。
別れの時、彼女の言った「また……」という言葉に、僕も「ああ、またね……」と返事をする。
そう、これは別れじゃない。
再会をするための儀式なのだ。
彼女の手が僕の手と重なり何か握らせる。
そこには小さな小さな紅い石があった。
すべすべとしていて綺麗な紅。
そして、キーチェーンのようなものが付けられている。
彼女が愛用の携帯を見せる。
そこには同じような紅い石が付けられていた。
「私だと思って……」
僕は頷いた。
そして、アーニャは帰国していった。
0343創る名無しに見る名無し
2009/03/05(木) 23:16:31ID:bTaKc7zr0344あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
2009/03/05(木) 23:18:40ID:w9GkRHWm2日後の昼前、僕の執務室にユーフェミア様がスザクを連れてやってきた。
そして、入ってくるなり実に楽しそうに聞いてくる。
「聞きましたよっ、ライっ。アールストレイム卿に告白したんですってね」
どうやら、あの会話は行政特区の行政府中に広まっているようだった。
まぁ、今までどんなに迫られても女性に見向きもしなかった男があんな事を言ったのである。
そりゃ、話のネタとしては最高なんだろう。
だが、そのネタの本人としては、こう話が広がっていくのは勘弁して欲しいものだ。
くそーっ、誰だよ、広めてるのはっ……。
そんな事を考えながら、何とか話を収めようとした。
「いや、告白じゃなくて……」
実際にそうなのだが、どうもあの台詞では告白に聞こえてしまっているらしい……。
だから慌てて言い返そうとしたが、すぐにユーフェミア様の言葉で遮られた。
「もっと君の事が知りたいだなんてっ…。もう〜、すごく熱々です〜っ。ライって情熱的なんですねっ」
実にうれしそうです。
生き生きしてますよ、ユーフェミア様。
そんな事を考え、他人の噂話でここまで楽しんでしまうとは…と感心してしまう。
いや、感心するところが違うっ…。
自分で自分に突っ込みを入れながら、何とかこの状態を打破すべくユーフェミア様を落ち着かせようとする。
「いや、あのですね……」
しかし、僕が再びなんとか言い返そうとするものの、その度にユーフェミア様の言葉に遮られてしまい何も出来ない。
もう一方的に言われまくっている状態だ。
なんとかしてくれよ。
そんな儚い望みを持って横にいるスザクを見るものの、スザクは苦笑だけしか返してこない。
えーいっ、僕の事を親友と思うなら、自分の彼女ぐらい何とかしろ。
そう言いたかったが、だが…無理だろうなぁ…。
彼の性格と、ユーフェミア様との関係を考えれば……。
そう判ってしまうのが悲しい。
そんな事を思っていたのだがすぐにユーフェミア様の新たな言葉で現実に戻された。
「そうそう、昼食はご一緒してくださいね、ライ。新しくエリア11に来られた方をご紹介したいですし……」
「えっ? 新しく赴任された方ですか?}
それは初耳だった。
いきなり決まるなんて……。
僕の表情から、読み取ったのだろう。
ユーフェミア様が説明する。
「ええ…。中華連邦が最近、特に活発な動きを見せています。その為に急遽派遣が決まったそうなんです」
「そうでしたか……」
つまり、僕が担当した視察団もその為の予行演習みたいなところか……。
それなら、急な視察も納得できる。
「では、時間ですし食事に参りましょう」
ユーフェミア様に言われ、僕らは行政府のレストランへと向かった。
そして、レストランに来たものの、準備されたテーブルには……………誰もいなかった。
「あら?」
ユーフェミア様がきょろきょろと周りを見回している。
その様子は、手違いが合ったようで少し焦っているように見えた。
0345創る名無しに見る名無し
2009/03/05(木) 23:19:55ID:bTaKc7zr0346あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
2009/03/05(木) 23:21:58ID:w9GkRHWm誰だろう……。
そんな事を考えていると、いきなり後ろから抱きつかれた。
「うわぁぁっ……」
思わず声が出た。
そして、僕が後ろを見て相手を確認するのとその人物からかけられた言葉が耳に入るのは同時だった。
「只今……、ライ」
そう、そこには2日前に再会の約束をして帰国したはずのアーニャの姿があった。
「えっ?!えぇぇーーーーーっ、なんで……」
僕の驚く顔をじろじろと覗き込むアーニャ。
相変わらずの無表情だが、心なしか笑っているように見えた。
「正式に…エリア11に派遣された……。また……しばらく一緒……」
頭の中が一気に真っ白になってしまい、言葉を失う。
そんな僕に不安を覚えたのだろう。
「ライは……嫌?……うれしくない?」
すこし悲しそうな感じで聞き返される。
そんな悲しい感じて聞かないでくれ。
そう思って、すぐに答えた。
「そんなわけ、あるもんかっ。うれしいよ、アーニャ」
そして、無意識のうちに彼女を抱きしめた。
きゃしゃな身体が僕の腕の中にある。
ほのかに漂う彼女の体臭が僕を興奮させる。
こんなにうれしい事が起こるなんて……。
腕の中に感じる彼女の確かな感触と湧き上がってくる彼女への思いが僕を幸せにしていた。
だが、痛いまでに突き刺さる熱い視線。
その視線で僕は我に返った。
そう、ここは行政府の中にあるレストラン。
そして、今は……お昼時。
つまり……。
大勢の人たちがいるという事。
そんな中で、僕はアーニャを抱きしめている。
その認識で一気に体温が上昇し、僕の顔は真っ赤になった。
そして、慌てて離れようとしたのだが、アーニャはしっかり僕に抱きついており、離れようとはしない。
さらに、くすくすという声がする横を向くと、小悪魔的な表情で笑いを堪えているユーフェミア様とニコニコしているスザクの姿があった。
「よいものを見させていただきましたよ、ライ」
そんな事を言うユーフェミア様。
「よかったね、ライ」
もっとも天然のスザクは、そう言うだけだったが……。
そして、僕はその二人の態度でわかってしまった。
こうなると知ってたな、二人ともっ。
くそっ、謀られたっ…。
だが、そう思ったのもつかの間、さらに拙い事に気が付いた。
よく回りを見渡すとこっちを見ながらこそこそと喋る人が多い……。
つまり、あの噂話がよりいっそう真実として広がっているのであった。
ああーっ、なんでこうなるっ。
な、なんとか、なんとかしないと……。
焦る僕の思考が空回りを続ける。
多分、混乱気味なんだと思う。
だが、そんな中、アーニャは抱きついたまま顔を上げると少し頬を染めて言った。
「また……二人で楽しもうね……」
その言葉が、響き渡る。
僕は、もう観念するしかなかった。
終わり
0347創る名無しに見る名無し
2009/03/05(木) 23:22:12ID:bTaKc7zr0348代理投下
2009/03/05(木) 23:31:27ID:bTaKc7zr読んでいただいて少しでも楽しんでいただければ幸いです。
なお・・最後にサルが出ました。支援受けてたのに・・・なんでだよーっ。
0349創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 00:53:35ID:3RC/pXZAあしっど・れいん卿、GJでした!
ハーケンの発射前の操作、難しそうだ。
ミスったら自分に当たりかねんな。
そして聞かれていた二人の会話……恥ずかしいなぁ。
帰国してすぐに来日するアーニャ、なんか可愛い。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
誤字指摘
>>334
長年のパートーナー→パートナーかと
0350創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 18:24:13ID:Os4AUooA管理人さんどうしたのかな
0351創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 19:30:50ID:LsHMlpFY間違ってたらスマンのだが、アンチな人か?
0352創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 19:47:57ID:Os4AUooA0353創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 20:10:01ID:LsHMlpFY俺も詳しいことはしらんが
0354創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 22:14:17ID:qPZKTVjS0355創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 22:15:39ID:qPZKTVjS必ず、かの悪逆皇帝の王を正さなければならぬと決意した。
ライにはファッションがわからぬ。ライは、一国の王であった。笛を吹き、母と妹と遊んで暮して来た。
けれども劣悪な環境に対しては、人一倍に敏感であった。
今日未明ライは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のペンドラゴンの都市にやって来た。
ライには父も、母も無い。女房も無い。十四の、内気な妹も死んでしまった。 ライには竹馬の友があった。枢木スザクである。
・・・・・
「走れメロスだね、懐かしい」
「ああ、スザク。よく来て……くれ……た」
ライは再び絶句した。
ルルーシュの方を見て、もう一度スザクの方を見る。
ルルーシュはそんなライの行動に訝しげに、
「ライ、さっきから何を人をじろじろと」
「だってさ……君達の服装が……」
ライは思わず目を逸らす。
ルルーシュが来ている服。それは彼の皇帝としての服だ。
白を基調としていて、各部には黄色い翼と赤の瞳のイメージが装飾されている。
スザクの方もイメージは似たような物で、こちらは黒や紺といった色調だ。加えてコーネリアのクラゲを逆さにしたようなマント。
ライははっきりと思った。ださい、と。
「似合っているだろう? 俺がギアスをイメージしてデザインしたのだが……」
浮かれた様子のルルーシュ。
本人は気に入ってるらしく、このままでは本気で衆目に晒す事になってしまう。
故に、ライは決断した。彼の愚考を止めるため、自分は悪になろうと。
「ルルーシュ……この際だから言おう」
一息。
「君のセンスはズレている」
「ははっこれはまた可笑しな発言だ。寝言は寝て言うものだぞ、ライ」
「少しは真面目に受け取ろうよ!」
「ふむ……」
少し考え込んだルルーシュはいいか、と前置きして、
「お前は古い時代の人間だから分からないだろうが――」
言ってルルーシュがスザクの方を見る。スザクはああ、と続けた。
「今はこれがトレンドだよ」
「嘘だっ!!」
「因みにライの衣装はこれだ」
ルルーシュが青を基調とした布地を広げた。
他の二人と同じように翼やら瞳のイメージが刻印されている。
一瞬ライは自分がそれを着ている姿を想像し、ぞっと背筋を凍らせた。
「嫌だ、僕はそんな服は着たくない!」
「う〜ん……ねえ、ライ」
と、スザクが頑なに拒絶するライに問うた。
0356創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 22:17:06ID:qPZKTVjSスザクの言葉にルルーシュは天井に視線を向け、何かを思い起こすように、
「結構ノリノリだったな」
「やはりね」
「違うだろう! 僕は最後まであれに反対したぞ! あんな全身タイツの仮面姿など!」
「ふむ……スザク、お前はゼロレクイエム以降――」
うん、とスザクは笑顔で頷いた。
「実は結構楽しみだ。あれ、格好いいよね」
「だろう?」
「おかしい、おかしいぞ二人とも! ……はっ!」
ライは気付いた。これほどまでに二人をおかしくする原因。そんな物は一つしかない。
周囲に向かってライは叫ぶ。
「新手のギアスだな! 出てこい、悪魔の瞳を持つものよ! 貴様が二人にギアスを掛けた事は分かっている!」
すると、スザクは可哀想な者を見る目でライを見て、ルルーシュに小声で話し掛けた。
「ライはどうしたんだろう?」
「聞こえてるぞスザク! 大体どうかしているのは僕じゃない。君達の方だ!」
はは、とルルーシュは笑って、
「正常でない者は皆そう言うな」
「くそっ、ああ言えばこう言う……!」
相手は詭弁やハッタリの達人、ルルーシュだ。それに天然系のスザクまで加わってしまっては、もはや説得のしようがない。
ライは静かに、かつてルルーシュの語った『俺達二人が揃えば、出来ない事など何も無い』という言葉を思い出した。
(なるほど、正逆の二人が同じ結論を出す事で覆せない物となる訳か)
何とたちの悪い。
「さて、そろそろライにはこれを着てもらおうか」
ルルーシュが蒼の衣装をライに近づける。
ライは反射的に後ろに退きつつ、
「いやだ! そんな物を着たら末代までの恥だ!」
「安心しろ。ブリタニアの血脈は続いている。この服装へと」
思えば、皇族にはいろいろと奇抜なファッションセンスな者が多い。
コーネリアのクラゲ、ギネヴィアの髪留め、カリーヌのリング、皇帝の髪型、シュナイゼルの顎。
後半は少し違うかもしれないが、それらを始めとするけったいな衣装のセンスは自分の中の遺伝子に潜在的に含まれているのかもしれない。
「そんなの嫌だ!」
「往生際が悪いぞ。……スザク」
「イエマジェ」
「略して格好つけてるつもりか! その姿で言うともはやギャグ……はっ、スザクやめ脱がさないでうわーーっ!!」
・・・・・・
「ライ、その格好……」
「言うなC.C.。僕は……僕は……」
「予備の拘束着、いるか?」
0357創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 22:18:53ID:qPZKTVjS0358創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 22:57:36ID:LsHMlpFYすげえな、何者だあんた。
とにかく乙 次も楽しみにしてます
0359創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 22:59:10ID:3RC/pXZAGJでした!
のっけから吹いたwww
ある意味最初からクライマックスw
ルルーシュとスザクのセンスがwww
でも、ゼロスタイルは仮面だけならオシャレだと思うんだ。
そして、顎はちげぇよwww遺伝子的な問題だよwww
ルルーシュ作の衣装<拘束着、ですね、分かります。
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
0360創る名無しに見る名無し
2009/03/06(金) 23:01:27ID:BKwd4mqLDVDのオマケに出て来ても良いシチュエーションだし、テンポ良く読めました
ギャグ系のSSも良いですね〜
楽しい話しをありがとうっ!!
又の投下をお待ちしてます
0361創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 00:38:38ID:jb/DX3y5C.C.にすら同情されるとは……よほど滅茶苦茶な物だったのかwwww
とりあえず顎は違うでしょ(多分)。皇帝の髪は否定できませんがww
0362創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 01:44:20ID:CgWVGKzw0363創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 02:07:53ID:3gZ/pCWw顎も遺伝的なもの。
問題なし。
0364創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 02:19:52ID:XHV/bucH腹筋死ぬwwww
0365創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 20:23:47ID:fmuDwSsV更新が遅れてるのは100歩譲って許してやらんこともないが
連絡もまともにできないのか?
4日前にメール出したのまだ返事こないし
0366創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 20:28:15ID:bQdLMjA4……トーマス卿、大丈夫だろうか。
0367創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 20:41:17ID:KbVZY2V9ほんの思いつきで書いたので、本当に酷いです。
ネタとか前振りとかじゃなくて、ボツにしようかと何度も思って今でも思ってます。
では、一応ライアニャ短編です。
0368創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 20:42:24ID:KbVZY2V9「そう?」
ライはアーニャが読んでいる、何やら子供向けの挿し絵がついている本を見た。
「ウサギと……なんだ、これは?」
「ガメラ」
アーニャは表紙をライの方に向け淡白に言う。
しかし、ライはガメラなるものに関する知識は無い。
「ガメラか……聞いたことないな」
すると意外そうに、
「エリア11……日本の童謡の本だから、ライは知ってるかと思った」
「知らないな…。日本で育った訳じゃないしね。しかし見た目といい名前といい、亀の一種かな?」
「そうみたい。でもガメラは火を吐く」
「火を!?」
そう、とアーニャは頷いた。更にアーニャは挿し絵のついた別のページをライに見せる。
「これはウサギとの競争。ガメラは甲羅に閉じこもり、回転して空を飛ぶ」
「空を!? ではウサギは勝ち目が無いじゃないか……」
「そう。これは生まれによって全ての者の勝敗は決まっているという教訓に基づいている。ウサギはいくら努力してもガメラに勝てない」
「そうか……日本にもブリタニアと同じような価値観があるんだな」
それはブリタニアの思想を好まない自分にとっては悲しい事実だ。
(いや、待てよ……)
そこでライはある事実に気付く。
自分の知る日本人は果たしてそうだったろうか。違うはずだ。
日本にはブリタニアとは明らかに何かが違う文化が確かに根付いていて、それは少しではあるがそこに住むブリタニア人に影響を与えていた。
事実、エリア11におけるブリタニア人のオタク含有率は世界でトップだ。
(だとしたら、かつてブリタニアと同じであった思想を変える何かがあったはず)
それが分かればブリタニアを中から変えるという、雲を掴むような話も実現可能になるかもしれない。
「アーニャ! その後ガメラはどうなったんだ!?」
「わからない。人間の台頭により、ガメラは住む場所を失ってしまったと思う」
「人間による環境破壊か……日本は緑の多い国だから、ガメラの最後の居場所だったのかな」
ブリタニアも、シャルル皇帝が即位するまでは内乱で悲惨な物だったと聞く。
「そうかも。でも、ガメラも人間に屈しなかった。別の文献にその記録が残っている」
それだ。ライは反射的にそう思った。
アーニャは床に置いてあった別の本を開く。
それは同じような絵本で、ブリタニア用に訳された文字にこう書かれていた。
0369創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 20:43:32ID:KbVZY2V9アーニャは頷いて、
「ガメラが海岸で複数の人間と戦っていた。そこにやってきたウラシマは――人間に加勢する」
それはそうだろう、とライは思った。
何しろ相手は火を吐き空を飛ぶ化け物だ。人間も必死になるというもの。
(なるほど、ブリタニアという大国に屈しない精神はここから来るのか……はっ!)
まさか、とライは心の中で呟く。
『ウサギとガメラ』の話を聞いて、自分は日本にもブリタニアと同じ思想があるのだと、そう思った。
だがそれが間違いだとしたら、
(日本人は、ガメラに抗うウサギであり人間……!)
そしてウサギはガメラに勝てなかった。では人間は果たしてガメラに勝てるのだろうか。
「だけどガメラも負けない。ウラシマを捕まえて、海の中に引きずり込んだ」
「!?」
「そして溺死寸前まで追い込んだ後、海底にある巣で、仲間達と共にウラシマを集団暴行」
「なんて惨い……」
それはまるでブリタニアに蹂躙されるイレヴンのようではないか。
つまり日本人は、強者と弱者の立場というものを、こちらよりも遥か昔から認識していたという事だ。
それでも諦めきれず、彼らは人間としてガメラに立ち向かっている。
(誇り高い民族だ……)
「ガメラは最後に、ウラシマを海岸へと戻した」
「ん? ……ガメラはウラシマを殺さなかったのか?」
アーニャは頷く。そして、悲しげに瞼を伏せた。
「ガメラは光速に近いスピードと強烈な加速度で海岸を行き来した。相対性理論により、ウラシマは日本と異なる時間軸へと、未来の日本へと残された。つまりそこは……」
「エリア、11……」
ライは愕然と、そして力無く膝を折った。
(そんな、それでも彼らは戦っているのか……)
たとえ世界に隔絶されたとしても、ウラシマはガメラに戦いを挑む。
そんな覚悟が自分にあるだろうか、とライは自問した。
「ライ」
心配そうにこちらを支えてくるアーニャに、ありがとう、とライは言って立ち上がった。
「僕にはまだ覚悟が足りなかった。スザクのように、ウラシマのように……!」
「ライ、私も手伝う。ガメラに勝とう」
「アーニャ……」
「ライ……」
・・・・・・
その後、一組の男女が日本を中心にブリタニアを、世界を巻き込む変革を引き起こした。
後世の歴史書は、その一連の世界革命をこう呼んでいた。
――ウラシマレクイエム、と。
0370創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 20:44:01ID:KbVZY2V9関係無いですけど、モスラって、地球に衝突する隕石の軌道を変えるという重厚なテーマを、アルマゲドンやディープインパクトより5年以上前に映画で扱っていたんですよね。
凄いですよね。今回の話はそれに匹敵する発想だと個人的には思ってます。言い訳が長くなりました。すいません。
0371創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 21:33:35ID:bQdLMjA4GJでした!
ウサギとガメラwwwシュールすぎるwww
ウラシマタロウwガメラと戦うのかwww
ガメラひでぇwwwというか仲間ってガメラいっぱいいるのかw
発想が凄すぎるwww
腹がwww腹筋が痛いwww
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
0372創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 21:40:10ID:dKHLXHab多分このセンスには逆立ちしても勝てないw面白過ぎます
楽しい話を有難う
またお待ちしてます
0373創る名無しに見る名無し
2009/03/07(土) 21:55:57ID:HGPRjjhFロスカラ2出て欲しいですね!
0374テリー
2009/03/08(日) 00:00:32ID:dyisXwdj投下いきます!
「英雄 二章 」
16レス位かかります、支援と感想してください
0375創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 00:36:21ID:qfvPOkF+君は「メテオ」を見ればきっと感動出来ると思う。
0376創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 00:39:03ID:X2kWyU6tかってに私の名前使わないでください!!!!!
0377創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 00:49:52ID:nbQ0/CHXテリー卿混乱してるんですか?
0378創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 00:52:30ID:9kqsBEwAあとテリー卿、トリップ使ったらいいんじゃないかな?
0379創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 00:53:43ID:D74BH4CCお前例の荒らしだな
いい加減にしろよ
0380創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 00:54:03ID:Gvg+FpX90381テリー
2009/03/08(日) 01:00:36ID:X2kWyU6t第一に自分はまだ未熟で16レスも長いのはまだ書けません!!
0382創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:05:38ID:9kqsBEwAなりすまし防止のためにも使った方がいいかな、と私は提案してみます。
0383テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 01:08:37ID:X2kWyU6tこんな事になるとは毎度毎度申し訳ないです・・・・・・
0384創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:11:07ID:9kqsBEwA0385創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:15:08ID:D74BH4CC0386創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:19:17ID:Gvg+FpX9人によって書き方とか、キャラ描写とかいろいろ違っているし。
0387創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:21:18ID:Gvg+FpX9投下しない時点で、偽者決定。
0388創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:22:23ID:D74BH4CC0389創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:35:29ID:GzPvpy4S0390創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:46:51ID:iEdDm4g7本当のことでも言わないのが大人ってもんだぜ?
保管庫止まってるせいなのかみんなイラついてないか?少し落ち着こうぜ
0391創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:48:53ID:iEdDm4g70392創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 01:59:22ID:8HlrTRdY0393創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 02:14:22ID:VLEZWu4Hお前のせいだぞ…
0394創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 05:09:08ID:Q2MuclkJ0395創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 08:09:01ID:ql4zmXE3他の保管庫とか見たことない奴なんだろうな。1ヶ月単位とかザラだっつーに。
0396創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 21:05:12ID:bc1frjoq貴重な時間を投資してくれてんのにさ。
システムの改良といい、ここまで細やかな対応してくれる保管庫なんて滅多にない。
趣味を楽しむ心の余裕を持とうよ。
0397創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 21:21:56ID:Sm8/AYPj0398創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 21:23:12ID:Sm8/AYPj現世から閉ざされた夜の闇には、唯一、星と月の光が輝いている。
その光景を視界に入れつつ、V.V.は両手を組んで、
「ん〜〜」
伸びをした。
V.V.はここの雰囲気が好きだった。
眼下、エアフィルターの先の地下には嚮団の施設が存在する。
無機質な建造物と自然物が渾然一体とした奇妙な都市だが、嚮主である自分はあまり好きではない。
というより、一ヶ所にじっとしているのが合わないのかもしれない。
「ほ……ちょっと寒いかな」
肌を刺すような痛みと白く濁った息が、自分の存在をこの閉ざされた世界に固定する。
再び思う。この雰囲気はいい、と。
「君はそうは思わないかい、ライ?」
振り向いて問うと、そこには少し不機嫌そうな少年、ライが立っていた。
「思わない。エアフィルターから熱が漏れてなければ、寒さで死んでしまう」
「いや、僕も死なないだけで痛みや寒さはあるんだけどね……」
うん、と頷いて、
「それより君はどうしてここに?」
「それはこっちの台詞だV.V.。君がふらりと席を外すもんだから、僕のところにおろおろと研究者がやって来るんだ」
「で?」
「『黄昏の間に入られたのでしょうか?』なんて聞かれるから困ったよ。確かに僕はあの空間に馴染みはあるが、自由に出入りなど不可能だ」
「コードが無いもんねぇ……ま、君ならそろそろコード保持者になれるんじゃないかな?」
すると、ライは目を伏せ黙り込む。
再び静寂が二人を包み込んで、やがてライは口を開いた。
首を左右に振り、
「僕にはその選択は出来ないよ。誰かを殺し、何かを得るなんて」
コードを手に入れるには、一定のギアスを持った者が、既存のコード保持者を殺さなければならない。
(C.C.はその殺されるのを望んでいるけど……)
しかしそれはC.C.の問題であって、ライがコードを得てしまえばそれは彼にとって許せない事なのだろう。
「難しいね。少なくとも今僕を殺せば……君の反対する『ラグナレクの接続』は止められるよ?」
ライは再び否定。
「それこそ誰かを殺して何かを為した事になる」
「ふ〜ん……でも協力する気はない、と。嚮団の孤児の世話はしてくれるのにね」
それを聞いて、ライは少し苦々しい表情を作った。
0399創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 21:25:40ID:Sm8/AYPj「だから育てても問題ない? 優しいね“ライお兄ちゃん”」
言うと、ライは眉間にしわを寄せて、
「君に呼ばれると気持ちが悪い」
「はいはい、分かってるよ。……ともかく、計画を直接手伝う気は無いんだね?」
ライは頷いて、
「ああ……それに、僕が今さら何を協力する必要がある。強いてあげるならラグナレク接続時、コードが『アーカーシャの剣』の負荷に耐えられるかが問題だが、」
一息。
「それこそ新たな強いコード保持者を用意するしかない。僕に何が出来る」
「それこそ君の出番じゃないか、強いギアス能力を持つ者」
V.V.は笑顔で言った。
だがライは冷めた表情のまま、こちらの言葉を一蹴する。何度も言った。その気はない、と。
なら、とV.V.は前置きして、
「孤児の女の子達に子供を産ませてみたら? 今は無理だけど、彼女達も成長したら君を受け入れてくれると思うけど。
そうしたら人為的な移植物である彼女達の物と、君の持つ『R因子』が共に遺伝して、より強いギアス能力者が産まれるかもしれない」
嚮団の調査では、近親婚が認められていた時代の皇族は『R因子』を持つ絶対数は多かったらしい。
だがライは冗談、とV.V.の提案を切り捨てた。
「僕にそんな気はないし、子供達に何かを受け継がせる気はない」
ライは視線を上空、真円に輝く満月へと向けた。
「それに、僕にはそんな資格は無いよ――君が計画を後戻り出来ないのと同じように、ね」
「…………」
V.V.は少しの間黙り込んだ。
ライは気付いている。自分がマリアンヌ殺害の犯人である事を――そして恐らく弟であるシャルルも。
V.V.は頷いて、
「そうだね僕はもう後戻りは出来ない。マリアンヌを……。いや、コードの呪いを持った瞬間からかな」
ふ、とV.V.は笑みを作った。今までの外見に相応な陽気な笑顔ではなく、何かを悟ったような、そんな笑みだ。
「僕達は似ているね、ライ。何をしたいのか、ぼんやりとは分かっていても、そこに行ける訳でもない」
ああ、とライは頷いた。
「気付いた時には、もう遅い。何をしてもそこには辿り着けないから……。足掻いて、抗って、結局は何も出来ないんだ」
0400創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 21:26:21ID:Sm8/AYPjそれも、ラグナレクの接続を経る事なく、だ。
するとライは何も言わずにエアフィルターを開いた。そのまま地下へと戻ろうとして、しかし足を止めた。
「そろそろ本気で死にそうだ。僕は戻るよ……そしてV.V.、人生の先輩からアドバイスだ」
ライは首だけこちらの方に向け、そして言った。
「後悔だけはしないように。……じゃあ、君もはやく戻ってくるんだぞ」
それだけ言い残して、ライは帰ってしまった。
そしてまたV.V.は一人になる。
静かな冷たい風に晒されながら、V.V.は消え入るような声で呟いた。
「気付いた時には、もう遅い……か。まったくだ」
自嘲するような笑顔を浮かべ、V.V.は嚮団の中へと戻って行った。
――定めは僕が引き受けるよ。
0401創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 21:29:13ID:Sm8/AYPj0402創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 22:17:09ID:9kqsBEwAGJでした!
ライとV.V.の間の雰囲気が凄くいいかんじ!
いいねぇ、ディモールト・良し!
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
0403テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:41:08ID:X2kWyU6tしたいと思います。
「鉄の道」
カップ ライ×ア―ニャ
ジャンル 完全100%のオリジナル設定、注意してください
0404テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:42:04ID:X2kWyU6t0405テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:42:41ID:X2kWyU6tフランス首都パリにある巨大な駅「パリ中央ステーション」
ここは1日約60万人が利用し15ものホームが有る駅ビル、一日の本数は上下
合わせのべ約300本もの膨大な列車がいききし、ここを中心にしてヨーロッパ
各地に向かって旅人が大勢出発し帰って来る。
この広大な鉄道網を一手に受け持っているのが世界最高峰の超一流企業であり
世界最大の鉄道会社「ブリタニア」。100年もの伝統を持つこの会社はヨーロッパ
各国に10もの大きい支社を持っておりその収益はのべ10億ドルは普通にこす
その本社が有るのがここ「パリ中央ステーション」だ。
17:24「パリ中央ステーション」改札口前
会社帰りのサラリーマンや学校帰りの学生達でごった返している改札で
「ママ、早く早く!!」
オシャレな服装に小さなリュックを背負った少年がとても興奮した笑顔で
母親を急かし改札の方へ走って行く。
「こらジン!!危ないですよ、ちゃんと前を見て歩きなさ―――」
「わっ!!」
と、大きいトランクを引っ張る母親の注意も空しく少年は大男とぶつかってしまった
その大きさと言ったら遠くからでもわかる位の大きさで少年をみる目も鋭いものがあった
「あ・・・ご、ごめんなさい」
その威圧に怯えてしまうジンにその男はジンの目線まで屈んで
「少年よ、これから旅行かな?」
「え・・・・・うん。これから汽車に乗って行くんだ」
0406テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:43:35ID:X2kWyU6t「そうか、列車の旅は好きかな?」
優しい笑顔でそう言う男はその大きな手をジンの肩をそっと掴む
「うん、大好き!!」
「そうか・・・ふふふふふふふふ」
ジンの答えに満足したのか男は立ち上がり笑いだした
「ぶははははははははははは少年よ!!!ならば楽しむがいい、私の自慢の鉄道
がきっと楽しませてくれるだろう!!!」
と大声で話す男にびっくりするも笑顔で頷くジン。
この男こそ、かの超一流大企業「ブリタニア」会長にして「ヨーロッパの鉄道王」
シャルル・ブリタニアその人でありこの大声は毎日ここで発せられているため
今となっては名物の一つとなってしまっている。
「あなた、おまたせしました」
「おおマリアンヌ、忘れ物は無いか?」
シャルルの後ろから声をかけたトランクを引く女性はマリアンヌ・ブリタニア
シャルルの妻でまだ社長だった時の秘書だったとても美しい女性、その美貌は
ミス・フランスと言う最高の賞を獲得したほど。
「はい、参りましょう」
「うん、またな少年よ!!旅を存分に楽しむのだぞ」
「うん!!行こうママ」
笑顔で礼をシャルルにしたジルの母親はジルの手を引き改札口へと吸い込まれていった
その後姿をマリアンヌは優しく見守っていた。
「まったく子供好きにも困ったものねぇあなた」
「ふ、解っておろう?そんな事は」
大きな荷物を持ち2人も改札口へと向かった、シャルルとマリアンヌは今回
結婚記念日を祝して旅行に行く事にしている。
「これはシャルル会長、マリアンヌ婦人!ご旅行ですか?」
「ええ、イタリアまで長旅を」
「良いですなぁ、イタリア行きは5番線です!楽しいご旅行を」
「うむ、行って来る!!」
17:34 5番ホーム
0407テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:44:18ID:X2kWyU6tそこにはすでに列車が発車時刻になるのを今か今かと静かに待っていた
これからその列車に乗って旅行に行く家族や老夫婦、出張帰りのビジネスマン
とあるツアーの団体客、遊休休暇を利用して乗る公務委員の一団、苦労して
キップを手にしウキウキしているマニアと様々な人がいる。
18:00発 ローマ行き 寝台特急「オリエントエクスプレス」
ブリタニアが誇る世界最高の急行列車、ブルーの車体にゴールドの帯を敷く美しい
スタイルで幅広い世代に人気があるのが売りでキップはプラチナで滅多に手に入る
のが難しい超豪華列車。
「トマトにソフトドリンク、アイスにピザ生地・・・・調理用のワインが無いぞ?」
「すでに積み込んでます料理長」
「カクテル用の酒と混同すんなよ?」
「マスター、あなたこそ間違って“飲む”なんて事の無いようにして下さいよ?」
8号車に食堂車、9号車にバーテン車を連結しているその辺りにはこれからの長旅を
支える食材やお酒が料理人やバーテンダーによって積み込まれている、ちなみに
7号車には調理専用の車両が連結されている。
「この前みたいな事になったら減俸だからな、注意した方がいいぞ?特にお前は
酒好きで有名だしな」
料理長C.C。世界でも10本の指に入る程の料理の腕と味覚を併せ持つコック
でも一番得意とするのはピザ作りだとか。
「うるせえよ、あれは単なるきの緩みだ!同じ過ちは繰り返さねぇよ」
その反応に周りのスタッフは大笑いしC.Cは鼻で笑った。
バーマスター ルキアーノ。ブランデーからワインやカクテルと酒の事には
うるさくその知識は右に出る者はいないほどで彼の作るカクテルは格別、でも
隙あらば酒を楽しむ癖が有るのがキズ。
「17:48、あと12分か・・・・今日も子供でたくさん!にぎやかになるわねぇ」
と大きな懐中時計に目をやり5号車の車掌室からホームを見渡す笑顔な車掌のミレイ
子供好きで長いこのオリエントの旅を最後まで決して退屈にさせないパフォーマンス
にトークショーや企画を思いつくアイディアマン。
「ミレイさん!」
0408テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:45:12ID:X2kWyU6t「はい、今日もたくさんのお客さんが乗ってくれてうれしいです!」
ミレイと同じ車掌のナナリーがホームからミレイに話しかける、10号車にも
備えてある車掌室が彼女の担当でその可愛らしい姿に加えて美声とも相まって
ブリタニアのマスコット的存在として全女性社員の癒しの一人なのだとか。
とそこへ
「ナナリー、元気にしてる?」
「お母様、お父様!!ようこそオリエントエクスプレスへ」
自分の両親に礼をし笑顔で迎える
「ミレイよ、何時も娘が世話になってるな」
「いえいえとんでもない会長!ナナちゃんには助けてもらってますよ」
その言葉に顔を赤らめるナナリーと微笑むマリアンヌに自然と笑顔になるシャルルと
「18:00発、ローマ行き寝台特急オリエンタルエクスプレスは間もなく発車いたします
ご乗車のお客様は5番線にお急ぎください」
「そろそろですね、では楽しいご旅行をお楽しみください!!」
自分の持ち場に向かって駆け出して行くナナリー、その背中はとても頼もしく見える
「では乗車しようかマリアンヌよ!!」
「はい!ではミレイさんまた」
と列車に乗り込むシャルルとマリアンヌを見届けたミレイは無線を取る
「C.C、全部運び終えた?」
「完璧にな、バーの方も準備は万端だ。何時でもいいぞ?」
「OK!!ジェレミアさん、機関車はどう?」
「準備は整っているぞミレイよ!!」
「元気だなぁジェレミア、楽しみか?」
「そう言うノネット殿こそウキウキしておられるではないか」
14両もの客車を牽引するのは何と蒸気機関車なのだ、ジェレミアとノネットは
この機関車の機関助士として点検を終え発車を待ちどうしにしているところなのだ
「あははははは、当然じゃないか!蒸気機関車を運転できるんだ、毎日が楽しみ
でしょうがないんだ!!」
と笑い合う二人の所に
0409テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:46:11ID:X2kWyU6t「お、戻って来たなアーニャ。今まで愛しの彼とデートか?」
「う・・・・そ、それは」
「おふざけもそこまでですよノネットさん、位置について下さい」
2人の機関士ライとアーニャ。恋人同士でもあるこの二人は社内一番のラブラブカップル
として知られるけど、社員に出くわすたびに茶化されてしまうのが二人の悩みの種だとか。
ノネットのせいでアーニャは赤くなってしまう、それがとてつもなく可愛いからこちらも
癒し的存在とされている。
「ジェレミアさん、クラブの調子は?」
「絶好調だ!!最高の力を今日も出してくれるだろう」
クラブと名ずけられた蒸気機関車はアメリカ生のバークシャー型を会社の技術部が改造し
20両の大編成でも最高速度100kmを出すことができる黒い機関車
(機関車のイメージは映画「ポーラーエクスプレス」を参照ください)
その答に満足したライは無線で掛け声の様に言う
「皆さん、今回も頼みましたよ!!」
「「「「「おおおおう!!!!」」」」」
「18:00発、ローマ行き寝台特急オリエンタルエクスプレス発車いたします!
ドアが閉まりますのでご注意ください」
発車のベルが鳴り、ナナリーが列車のドアを一斉に閉め安全を確認する
「OKですミレイさん!!」
その合図にミレイも確認を終え、ライのいる機関車に合図を送る
「こっちもよ、発車おーーーーーらーーーーい!!」
機関車でアーニャがミレイの合図を確認する
「ライ!!」
ポーーーーーーーーー!!!
汽笛を鳴らしライはレバーを前に倒すとクラブは蒸気を勢いよく吐き出しガタン!!
と列車を引っ張り出す。
ノネットとジェレミアが後ろを向き無事に客車が付いて来ているかを確認すると
スピードを上げ列車は駅を離れていく
旅の始まりを告げる汽笛を鳴らす
さあ皆様、旅の始まりです。
0410創る名無しに見る名無し
2009/03/08(日) 23:46:23ID:ZJ3/qhXm0411テリー" ◆GH6kzC2bvQ
2009/03/08(日) 23:48:09ID:X2kWyU6tその時はお付き合いを!!では失礼します。410の方支援ありがとうございます!
0412創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 00:31:00ID:7/uzDfAIとりあえず 発車おーーーーーらーーーーい が駄洒落になってて吹いた
このSSは、これで完結ですか? ギアス関係無しなパラレル物は、意見の別れる所でしょうが
自分は、続きを読みたいと思いました
ところで、トリップで # 打つ時、隣の " も押しっちゃったでしょ?
あと >>406 少年の名前 ジン、ジルのどっち?
0413創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 03:03:03ID:MwncDYPbテリー卿、乙でした。
完全なるパラレルワールド。
なんというか、皆幸せそうでなによりです。
今回出てきていないキャラは何をやっているのか気になるところですね。
貴方の次の投下をお待ちしております。
0414創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 07:21:42ID:0Gp76fxcパラレルなのだからと言われればそれまでなのですが、
フランスに本社を持つ会社の名前が「ブリタニア」イングランドの古名というのは
少々違和感を感じました。中央ターミナルという名称も現実にある駅名を用いれば
描写に奥行きやリアリティが生まれたのではないでしょうか
また、これはテリーさんに限った話ではありませんが
恋人同士という、あるいは親友などの人間関係を直接的に「恋人同士である…」と説明文で
表現するのではなく、キャラクター同士のスキンシップやセリフ、第三者キャラクターの視点で
間接的に表現してみてはいかがでしょう
文章の完成度もですが、それ以上に描写と表現が引き締まると思います
人間関係の描写というものは説明文の一言ですませるにはもったいないと思います
以上長々と失礼しました
どうぞよい文章を書けるよう御研鑽ください
0415創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 22:09:29ID:JxNFk1kb遅いか、
トーマス卿、保管庫更新ご苦労様です。
リアルに支障をきたさない程度に、がんばってください。
0416創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 22:18:25ID:1pT/UIVg絡むキャラは内緒で
0417創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 22:20:15ID:1pT/UIVgライはいやいやをするように首を左右に振ってルルーシュを退けようとした。
しかしルルーシュはそんなライの手を掴み、耳元で囁いた。
「五月蝿い。お前は俺の言う事を聞けばいいんだよ」
「あっ……」
耳に吹きかけられた吐息に、ライはくすぐったくて身をすくめる。
目の前にあるルルーシュの顔を見ていると、だんだんと――
・・・・
・・・・・・
「――と頬が熱くなっていくのをライは感じた。『ああっルルーシュ!』ルルーシュがライの首筋に……」
「何やってるんですか、咲世子さん?」
「ほあぁっ!?」
背後から掛かった声に、咲世子は思わずルルーシュのような叫び声を上げてしまった。
振り向けばそこにはよく見知った、
「ら、ライ様!? いつからそこに……!」
「いえ、今帰ってきたところですけど……咲世子さんは何をやっていたんですか?」
ライが体を傾けて咲世子の後ろ、机の上の紙束に目をやった。
(い、いけませんっ!)
咲世子は持ち前の瞬発力を活かして即座にライの視線を体で遮る。
これを彼に見せる訳にはいかない。何故ならそれは……、
「漫画か何かですか?」
「え、ええ漫画! そう漫画! 日本の文化! ザ・漫画!」
こくこくと頷く。ぶんぶんと頷く。
そうですか、とライは納得した様子で微笑んだ。
咲世子もつられて笑顔を浮かべ――、
「よかったら見せていただけませんか? 僕、凄く興味があって」
「いいいいぃぃぃえ! ノンノノノン! お見せするほどの物ではございません!」
「大丈夫ですよ。咲世子さんの書いた漫画ならきっと面白いですって。恥ずかしがらずに」
あまり人に何かを強要しない彼が、今日は何故か引き下がらない。
(漫画と言ったのが失敗でした……!)
まさかライが漫画にそれほど興味があったとは。後悔先に立たずか。
漫画に興味を持ってくれているその事実は嬉しい。
機会があれば、あのがさつなブリコミ(注:ブリタニアンコミック)なんかとは全く違う、日本の繊細な漫画を見せてあげたいと思う。
しかし、しかしだ。
咲世子は後ろ手に、机の上の紙束を撫でた。
(いけない……)
これを見せる訳にはいかない。そう何度も咲世子は確認する。
見せた瞬間、自分の人生は終わる。それだけは確実だ。
何故ならそれは――、
(ライ様とルルーシュ様の……同人誌!!)
0418創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 22:22:25ID:1pT/UIVgしかし咲世子自身、趣味の一環なので普段なら別段書いた絵に執着はない。
傑作ではあるが、ライに見られるよりかは、
(無理やりにでも回収するべき!)
咲世子はそう結論づけ、即座に行動を開始した。
「たあっ!」
「あっ……」
掛け声一発。一瞬で机に広がる膨大な紙束をかき集め、くしゃくしゃに丸める。
その速度は常人では追いつけない。勿論ライもだ。
咲世子は作業を終え、安心してライの方に向き直った。
「さあ、ライ様。よろしければ私が漫画をってぇぇぇええ!!?」
素っ頓狂な悲鳴が木霊する。無理もない。
何故ならライが自分の書いた同人誌の一枚の紙をまじまじと見つめていたのだから。
「…………咲世子さん、これって」
「ひっ」
咲世子は今度は小さな悲鳴を上げる。もはや動揺は抑えられない。
回収する時に落としたのか。何故気付かなかったのか。後悔の念が溢れ出す。
(仕方ありません。もうこうなったらカミングアウトです)
咲世子は開き直る事にした。腐女子がなんぼのもんだと。ライが魅力的なのがいけないのだと。
しかし、
「咲世子さんが僕をこういうふうに見ていたなんて知りませんでした。意外です……」
しかし。ライの口から紡がれた言葉は軽蔑の言葉ではなかった。
そこで咲世子は見た。ライが持っている絵。それは――、
(ライ様“だけ”が書いてある裸の一枚絵!)
その事実に思い至った時、ライがこちらの手をとった。気のせいか、彼の頬は若干赤らんでいる。
「咲世子さん。いや、咲世子……僕は……」
「ライ様――」
・・・・
・・・・・・
「ライは咲世子の腕を引き、ぐいと体を寄せた。咲世子は若干の抵抗を試みたが、ライがすかさず腰に手を回す。『逃がさないよ、咲世子』『ああっ、ライさまぁ……!」
「何やってるんですか、咲世子さん?」
「へ? ……ほあぁああっ!? ら、ライ様! いつからここに!?」
「いや、今帰ってきたところです。そうしたら咲世子さんが僕を呼んでいたみたいだから……。ところで何ですかそれ?」
「何でも、何でもありません!!」
――アッーーー!
0419ピンクもふもふ ◆Moffuu/mUE @株主 ★
NGNG稚拙な文章をわらわらと書きましたが、どれか一つでも楽しんで頂ければ幸いです。
最近忙しくてまともにSS書く時間もとれなくて、ちょっと間が空くとすぐ書けなくなってしまう。
それもこれも小説なんかに触れない生活をしているからで、流石にラノベだけで文章表現身につけるのは限界がありましたな。少しまともに勉強して、よりよいSSを書けるよう精進いたします。
という訳でこれからはまた暇な時間にゆったりと書くので、その時また読んでいただければと思います。
0420創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 22:38:32ID:MwncDYPbピンクもふもふ卿、GJでした!
咲世子さん、手がこんでるw
劇中劇中劇に吹いたwww
凄いよ、この咲世子さん! さすがアッシュフォード学園のメイドさん!
全部楽しく読ませていただきました。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
0421創る名無しに見る名無し
2009/03/09(月) 22:55:20ID:91HlMNVF寸鉄ぶっすりなSSの極意、見せてイタダキマシタ!
ここ数夜で腹筋が割れたにも関わらず「イエマジェ」の呪いが今だ解けません!
ゆったりまったりものされた作品も楽しみにお待ちしますデス!
0422創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 00:16:52ID:JWrYHjGj使っていただけませんか。
「閃光の魔法少女マリアンヌ」
:アーニャの中にあるマリアンヌの意識が表面化した状態で変身の呪文を
唱えたとき、アーニャの姿からマリアンヌ本来の姿となり、さらに魔法少女
の衣装を身にまとった姿になることによって、閃光の魔法少女マリアンヌへ
と変身するのである。
・・・色々とすみません。
萌は文化卿の「魔法少女ライマーユニー」のSSと、余暇卿の「虫食い同
好会」のSSを読んでいたときに思いついたものです。もし、お二人の
お気に触ってしまったようでしたら、誠に申し訳ありません。
ネタを思いついておきながら、自分には職人の皆様のような文章表現力が
ありません。他力本願かもしれませんが、このネタを使っていただければ
幸いです。ちなみに元ネタは、「奥さまは魔法少女」からです。
0423簡単に書いてみた
2009/03/10(火) 04:35:43ID:ZMWWziRE僕の親友ルルーシュの妹ナナリーの友人の一人。
それが、彼女、アーニャ・アールストレイム。
だが、今、僕の目の前にいるのは、何者なんだ?
さっきまでそこにいたのは、間違いなく彼女だったはず……。
だが、今、僕の目の前にいるのはまったくの別人。
姿だけではない。
喋り方も性格もまったく違っている。
どういうことなんだ?
訳がわからなかった。
「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第1話 変身しちゃう女の子って変じゃないですか?
ら、ライさんに見られたっ……。
私の頭の中でアーニャの思考が悲鳴を上げている。
えーい、うるさいわねぇ…。
後でちゃんと説明しておいてあげるわよ。
私は、アーニャの思考にそう言い切ると目の前の相手に意識を集中させた。
そう言われた事とさすがに戦いの途中でいろいろ言うのは拙いと思ったのだろう。
アーニャの思考が大人しくなる。
ふう…。
これで落ち着いて戦えるわ。
私は、ゆっくりと魔法のロッドを構える。
ランクCか……。
なら、連中の情報も持ってないだろうし、パワーの消費も抑えなきゃいけない現状なら、一気に仕留めて終わらせよう。
そう考えると詠唱を始めた。
もっとも、そのほとんどはロッドでやってくれるから、私はキーワードとパスワード絡ませた一文を唱えるだけだ。
「大いなるブリタニアの光よ、今、我に力を…。そして、不条理なものを送り返す光の門へと閉じ込めよ。イ・セルドーラ!!」
私の詠唱が放たれると、その言葉は光となり、相手の異形のものを包み込む。
そして、その光の中にゆっくりと沈みこんでいく異形のもの。
気味の悪い叫びをあげるものの、ランクC程度の雑魚が術式を敗れるはずもない。
あっという間に、異形のものは光の中に完全に沈みこみ、光が薄れていった。
ふう…終ったっと……。
そう思った瞬間、呆然とこっちを見ている彼の姿が目に入った。
確か…ライって名前だったわよね。
アーニャの友達のおにーさんの友人だったっけ……。
うーーん……めんどくさいなぁ。
でもなー、アーニャに臍曲げられたらこれからが困るんだよなぁ。
そう、アーニャの身体を間借りしているマリアンヌにしてみれば、持ち主であるアーニャのご機嫌取りは必要不可欠であった。
仕方ない……。
感謝してよね。
そう思いつつ、彼に近づいた。
0424簡単に書いてみた
2009/03/10(火) 04:38:46ID:ZMWWziRE僕は、信じられなかった。
いや、普通だったら絶対信じていないだろう。
別次元からこっちの世界に入り込んできた異形のものを狩る魔法少女のことなど……。
だが、彼女は、僕の目の前で変身し、異形のものを封印してみせた。
信じるしかなかった。
「わ、わかったよ。信じるよ、その話」
僕は頷くと聞き返した。
「で…、貴方の事はどう呼べばいいんですか?」
そう聞かれ、一瞬考え込んだ後、にこやかに彼女は笑うと答えてくれた。
「閃光のマリアンヌ」と…。
ああ…綺麗だな……。
さっきまで怖い思いをしてたのに、彼女の笑顔に僕は見とれてしまっていた。
ふう…。
はいっ、きちんと説明したからね。
後は任せたよ。
私はそう言うと身体の支配権をアーニャに戻した。
えっえっええええーーーーーーーーっ。
慌てるアーニャの思考の声が響いたが、私はさっさと自分の思考を眠らせた。
身体が光に包まれていき、私が目を開けると目の前にはライさんの姿があった。
「えっと……そのぉ……」
何を喋っていいのか、頭の中がぐちゃぐちゃだった。
えーんっ、マリアンヌのばかぁ〜っ。
私だって……心の準備がっ…。
慌てふためく私を見ていたライさんは、落ち着かせるためかゆっくりと私の頭を撫でてくれた。
「あの……、今は……アーニャでいいんだよね?」
きちんと確かめるような言葉。
私は、その言葉にこくんと頷く。
なんだが頭を撫でられていると落ち着いてきたみたいだ。
なんでだろう……。
そう思ったけど、今はそんな事は考えないようにしょう。
でも何を話したらいいんだろう……。
迷っている私に、ライさんは微笑みながら言った。
「大変だったね、アーニャ。……あのさ、僕でよかったらだけど……君達の手助けをしてもいいかな?」
その言葉に私は驚いた。
あんな事に遭遇し、あんな出鱈目のような話をされて、まさか手伝おうなんて言ってくれるとは思ってもいなかったから。
だから、私は思わず聞いていた。
「あんな話、信じてくれるんですか?」
「信じるも何も目の前であんな事があった以上、信じるしかないだろう」
そう言って笑い出すライさん。
0425簡単に書いてみた
2009/03/10(火) 04:39:47ID:ZMWWziRE私は、恐る恐るそう聞いてみた。
なんだか、ライさんなら、今の私も受け入れてくれそうな気がしたから。
「うん。普通に考えたら変だよね」
その言葉にショックを受ける。
聞くんじゃなかった。
後悔が一気に私の心を塗りつぶしていく。
だが、彼はすぐ言葉を続けた。
「でも、僕はそれは間違いだと思う。アーニャは、ただ普通の人とはちょっと違うだけ。
アーニャは、アーニャさ。僕にとっては何もかわらないよ」
その言葉が一気に後悔に塗りつぶされようとしていた心を開放する。
「ありがとう……ライさん」
自然と感謝の言葉が出た。
そして、目には涙が溢れ零れ落ちた。
そんな私をやさしく抱きしめて頭を撫で続けてくれるライさん。
今まで気味悪がられたり、信じてもらえない事ばかりで理解者が現れる事を諦めかけていた。
だけど……。
私、理解者に出会えたのかのしれない。
私はそう思えてならなかった。
第一話 終了
次回予告
ついに現れるランクAの異形のもの
それを相手に苦戦するマリアンヌ。
あわや敗北かっ…。
そう思われたとき、光と共に現れたのは……。
次回 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第2話 これが絆の強さですぅ にご期待ください。
0426創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 04:42:10ID:ZMWWziRE1時間程度で書いたものなので突っ込みどころ満載です。
まぁ、勢いでやっちゃったと笑って許してください。
0427創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 10:49:10ID:7KylQZoYGJでした!
い、一時間で書いただと!?
えぇい、ロスカラSSスレの職人は化け物かッ!
魔法少女……いいね!
続くの文字に期待しつつ、貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
0428創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 11:54:53ID:JWrYHjGj誠にありがとうございます。とてもいいですよ。
一応ネタの補足になりますが、自分の脳内では、
・(その時の服装状態の子供の姿のアーニャ)−変身→(魔法少女の衣装を着た大人の姿のマリアンヌ)
・ルルーシュとナナリーの母親であり、C.C.の知り合いでもあるマリアンヌその人である
・アーニャの身体に居座ることになった流れは、ほぼ本編沿いに近かったりする
てな感じです。・・・今頃になってスミマセン。二つ目と三つ目の補足設定
は無視してもかまいません(特に三つ目は)。あの話でも十分いいですよ。
それではまた、「閃光の魔法少女マリアンヌ」のSSが書かれることを
を楽しみにしています。
0429創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 12:51:59ID:nkvEVnIQおもろかったー
1時間でこんなに書けるものなのか!?素直に感嘆。
マリアンヌもアーニャも可愛いです。
>428
youそこまでネタ詰めてあるなら自分で書いちゃいなyo
0430創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 21:32:14ID:ZMWWziREすみません。
1話、2話続けて勢いで書いてますから、突っ込みどころ満載です。
まぁ、気楽に楽しんでください。
タイトル 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第2話 これが絆の強さですぅ
カップリング ライ×アーニャの予定
ジャンル 未定
注意点
パラレルワールドですので、キャラの性格変わってます。
なお、このSSでのアーニャは、今まで普通の女の子として生活してきて、最近になってマリアンヌに寄生されちゃったって感じでしょうか…。
その為、本編のような性格にはなっていません。
もちろん、他のキャラもそういう感じで変わってしまっています。
ご注意ください。
0431簡単に書いてみた その2
2009/03/10(火) 21:33:07ID:ZMWWziRE「あのね…ライさん……」
「わかってるよ、アーニャ」
ライさんは、そう言って片目をつぶってウィンクしてくれた。
「あの事は、二人だけの秘密だね」
「うんっ」
思わず、笑顔で答えてしまう私。
ドキドキしてる胸の鼓動。
なんでだろ……。
疑問が湧いたが、今は理解してくれる人が傍にいる。
それだけで私は幸せだと思っていた。
そして、そんなアーニャを頭の中でマリアンヌは面白そうに見ていた。
「若いねえ…」と思いながら……。
「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第2話 これが絆の強さですぅ
だが、そんなほのぼののひと時もすぐに終ってしまった。
異形のものが現れたのだ。
「なんで…こんなところに……」
マリアンヌの思考が叫ぶ。
「アーニャ…変わるわよ」
「うんっ、わかった」
そう頭の中のマリアンヌに返事をすると呪文を唱えるアーニャ。
「星よ、月よ、火よ、太陽よ、あらゆる光の源よ。
私、アーニャ・アールストレイムが願います。ここにマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアの帰還を……。ルルーディ・ル・フェンドゥ」
そして、その呪文にあわせてアーニャの身体が光に包まれてた。
まだ幼かった少女の身体が、光の中で女の身体へと変化していく。
それにあわせて、服装もこの前着ていた魔法少女のユニフォームに変わっていった。
そして、光が一気に強くなった瞬間に掻き消され、そこには一人の女性の姿があった。
「マリアンヌさんっ……」
ライは思わず声をかけてしまっていた。
ちらりと僕を見たマリアンヌさんは、相変わらず綺麗だった。
0432簡単に書いてみた その2
2009/03/10(火) 21:33:47ID:ZMWWziREそのマリアンヌの言葉に、ライはすぐに返事をすると後ろに下がった。
うふっ……。
素直ないい子じゃないのっ。
思わず微笑が漏れる。
でも……今は、こっちの方が重要ね。
魔法のロッドを握りなおし、目の前の相手を睨みつける。
この前封印したのとは比べ物にならないほどの妖気だ。
その妖気だけでじりじりと肌が焼かれるような錯覚さえ覚えてしまう。
ランクB、いえ違うわね。
ランクAってところか……。
冷たい汗が流れる。
契約したばかりの私にとって、あまりにも強すぎる相手だ。
確かに勝てない相手ではない。
でも、回復者がいない現状では、消耗の激しい呪文も術式も使えない。
くっ…どうしょう。
一瞬、逃げるかという選択肢が頭に浮かぶ。
だが、私が逃げれば、逃げ遅れるライくんは間違いなくやつに殺されるだろう。
それは出来ない。
いくら知り合ったばかりの相手とはいえ、私だってあの子に情が少しは移っている。
それになによりアーニャを悲しませたくなかった。
ええいっ……。
なんとかなるさっ。
私は、そう決心すると異形のものに突っ込んでいった。
はぁ……はぁ……はぁ……。
荒い息がマリアンヌさんの口から漏れる。
さっきからマリアンヌさんはすごく辛そうだった。
戦いは、確かにマリアンヌさんが押しているようにも見える。
だが、まだ相手は余裕があるように僕には感じられた。
なんか……拙い気がする。
僕の本能がそう警告する。
だが、どうすればいい。
今の僕に出来ることなんてあるのか……。
ちくしょう。
僕に力があれば……。
そうすれば彼女を助けて上げられるのに……。
そして、非力な自分に憤慨しながらも、僕は力を願った。
彼女を助ける事が出来る力を……。
0433簡単に書いてみた その2
2009/03/10(火) 21:34:36ID:ZMWWziREさすがランクAね。
この程度の呪文や術式だほとんどダメージ通らないかっ。
予想以上の相手に、私は焦っていた。
だが、現状で出来ることは大抵やりつくした。
やっぱり、リミッター外さないと駄目か。
彼女は決心した。
いくらセーブしても、ここで負けたら意味がない。
「アーニャ、ごめん……。力を貸して欲しいの」
頭の中のアーニャのに声をかける。
「うんっ。……だ、大丈夫だよ」
少し頼りない返事が返ってくる。
だが、迷っている暇はない。
魔法のロッドを構えると私は詠唱をスタートさせた。
「我、マリアンヌ・ヴィ・ブリタニアが命ずる。我の心と共に歩むものの力を我が……」
だが、そこまで詠唱した時だった。
異形のものが一瞬無防備になったマリアンヌに攻撃を仕掛ける。
今の彼女では、その攻撃は回避できない。
駄目だっ…。
その思いが膨らむ。
そして、僕は無意識に叫んでいた。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉーーーーっ!!」
するとどうしたのだろう。
びくりと僕の言葉に反応し、異形のものの動きが止まる。
なに?
何が起こった?
それは多分、異形のものも同じなんだろう。
僕には混乱しているように見える。
そして、その間に詠唱は完成した。。
「剣に宿らせ、光の輪廻へと切り捨てよ。ファン・ルーファー・イズシス」
ロッドが光の剣と化していく。
そして、「斬!!」と言う言葉と同時に異形のものが光の剣に切り捨てられた。
光の粒子となって消えていく異形のもの。
そして、その光の剣の中にはぼんやりとアーニャの姿が見える。
「えっ?!アーニャ……なの?」
思わず、光の剣に話しかけていた。
「うんっ、私っ……」
光の剣の中にあるアーニャが僕に向かって微笑む。
驚いている僕にマリアンヌさんが苦笑して説明してくれた。
「リミッターを外す事で、アーニャの力をロッドに宿す事が出来るのよ」
「うんっ、これが絆の強さですぅ〜♪」
少しふざけたような言い回しに、僕は吹き出した。
そして、それに釣られみんなも笑い出していた。
「そろそろ戻すよ、アーニャ」
笑いが収まるとそう言って変身を解くマリアンヌ。
0434簡単に書いてみた その2
2009/03/10(火) 21:35:41ID:ZMWWziREそして、完全に光が消えるとそこにはアーニャの姿があった。
「ごくろうさん…。大丈夫か?」
「うん……大丈夫……」
アーニャはそう言いかけたが、足が思うように動かないのか倒れそうになる。
「おっと……。無理しちゃ駄目だよ」
それを支えると僕は優しく彼女を抱き上げた。
「え、え、ええーーーっ……」
アーニャが真っ赤になってじたばたと暴れ始める。
まぁ、いきなりお姫様だっこなんてされたら驚くか……。
だけど、僕はそんなアーニャに微笑んだ。。
「何も出来なかったから、せめてこれぐらいはさせてくれよ、アーニャ」
その言葉に真っ赤になったまま大人しく頷く。
実際、かなりしんどいのだろう。
笑顔を見せようとしているが、汗が止まらないように流れている。
そんな彼女を見ながら僕は心の底から思った。
僕にたいした事は出来ないかもしれない。
でも、少しでも彼女らの力になりたい、と……。
そして、戦いの一部始終を学園の屋上から見ているものがいた。
黒尽くめのマントに黒の仮面をかぶったその姿。
そいつは、その場を離れる二人を見送りながら呟いた。
「こんなところにギアス能力者がいるとはな……」
第二話 終了
次回予告
私たちの前に現れた黒マントに黒マスクの男。
彼はゼロと名乗った。
彼は、敵なの?味方なの?
そして再び襲い掛かってくる異形のもの。
えーいっ、考えるのめんどーね。
次回 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第3話 我名はゼロ にご期待ください
0435簡単に書いてみた その2
2009/03/10(火) 21:36:57ID:ZMWWziREまぁ、気軽に楽しんでください。
なお、3話の予定は…………未定です。
0436創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 21:39:25ID:oAxH7bt+乙です。最初違和感あったがパラレルとして割り切るとむしろ新鮮な感じだ。
続き楽しみに待ってます。
0437創る名無しに見る名無し
2009/03/10(火) 21:46:39ID:7KylQZoYGJでした!
注意点www >寄生されちゃった 吹いたw
まさかのアーニャ武器化w
そしてゼロktkr
次回予告の微妙な投げやり感もまたいいかんじ。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
0438創る名無しに見る名無し
2009/03/11(水) 08:18:55ID:TmZWW03p0439創る名無しに見る名無し
2009/03/11(水) 19:44:55ID:y8KlM9Gm0440創る名無しに見る名無し
2009/03/11(水) 19:49:10ID:LQhUgji2■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています