「あとは、箱の中にしまって・・・」
『厄いわ・・・』

取り敢えず急いで蓋を閉める。箱の中にいたあれは、ゆっくり?
確認のためもう一度開けてみる

『あらあらまだいたの?』
「ここは僕の家なんでいつも居ますけど・・・」
「おにーさんのせいだぁぁぁ!!! おひなさまのおばけだよぉぉ!!!」
れいむはよっぽど怖いらしく意味の分からないことを言っている
『せいかくには「ながしびな」だけどね』

その緑の髪が印象的なゆっくりは「厄いわぁ・・・」と言いながらその辺を回り始めた
れいむはいつの間にか居なくなっているのでちょっと怖いが会話を試みる事にした
「あの〜、貴方はどうしてここに?」
『ここに「やく」があったからよ。それとよぶときは「ひな」でいいわ』
「それで雛さんは今は何を?」
『このいえの「やく」をあつめているのよ』

何でも雛は「流し雛」の様に厄や悩み事をその身に降ろし流すことが出来るらしい
大体集め終わったらしいので川に連れていく。気付くとれいむもついてきていた
『あなたたちのなやみごともながしてあげるわよ』

悩み事か・・・れいむの好き嫌いがなくなります様に、かなぁ

『あなたたちの「やく」はわたしがせきにんをもってながすわ、またあいましょう』

そう言うと自ら川野中に入りゆっくりと流れていった

「あれ? 雛さん消えちゃった・・・」
「ゆゆ〜? 不思議だね〜」


「ところでれいむの悩みって何かあるのか?」
「れいむだっていろいろなやんでるんだよ!!!」



なにともあれこんな不思議な雛祭りは二度とないだろう


おわり