―――観客席

アジョ中「そういえば……直りんが出るようだが、何者なんだ?」

霧崎「そうか、お前は直りんと親しくはなかったな」

アジョ中「ああ、お前は知ってるのか?」

霧崎「GGGに入った時に、少しな」

アジョ中「どんな奴なんだ?」

霧崎「正直言って、あまり近づきたくはない。成績はトップクラス…………
  14歳の時、ボランティアと称して、寝たきりの老人の介護を2年間手伝い、
  市から表彰された事がある―――」

アジョ中「いい奴じゃないか」

霧崎「続きがある、聞け。その実は老人たちに、得体の知れない薬を飲ましてみるは、
  血圧に悪い食事を食べさせ続けるは、『誰も見舞いに来ない』などの絶望的な言葉を
  耳元で毎日毎日言い続け、自殺にまで追い込んでいる……
  自宅の本棚には、その時の老人の表情を記録したビデオテープが25本並んでいた…
  9人自殺させたところで、医者になる事をめざしたようだ」

アジョ中「…………」

霧崎「雑談スレをぶらぶらしていた所を組織が拾ったのだが、GGGに入った後で
  奴の本性が明らかになった」

アジョ中「なぜ追い出さないんだ?」

霧崎「今は目に見えて犯罪はしてないからな……尻尾をださん。気をつけろ、
  奴にとって自分以外は他人でしかない」

アジョ中「ああ、わかった……」



―――控え室

係員「直りんさん、そろそろお時間です」

直りん「はい、ありがとうございます」

ニコッ♪

係員(かわいいなぁ……こんな娘も参加するんだ)