「汝住人、七重に名の無き者! されど今、我は汝が名を七たび呼ばん!!」

串子の放った串焼きがスピーカーを破壊した。しかし、降り注ぐプラスティックの破片と共に、またもや直前に脱出した黒光りが幾つにも分裂しながら降下、落下点から散開、周囲の物に手当たり次第に貼りつきながら言葉をつないだ。

「G!<哂う悪童>!!」と、蓋のないマンホールが言った。

「G!<ワードジャグラー>!!」と、塀に描かれた落書きが言った。

「G!<踊らされる死人占い師>!!」と、灯りの消えたネオンサインが言った。

「G!<殺到する狂暇人>!!」と、倒れたゴミバケツが言った。

「G!<馳せる鼻風邪>!!」と、側溝を走る鼠が言った。

「G!<ババ抜きのジョーカー>!!」と、割れたブラウン管が言った。

「G!<悪戯のアヴァタール>!!」と路面のひび割れが言った。