倉刀「どうして……こんな無意味な事を……」

ハルト「無意味か、結果だけをみればそうだろうな」

倉刀「こんな! こんな大会で作品の優劣がつくわけないじゃないですか!
  第一、腕っぷしで決めるなんて、師匠がもっとも忌み嫌っていたのでは……」

ハルト「この世で最も大切な事は『創作活動』であるなら、 最も忌むべき事は
  『創作放棄』する事と考えている。いいかね……途中で放棄する……とは、
  その作品の名誉を傷つけるだけでなく、人生や生活を抜きさしならない状況に追いこんでしまう事だ。
  わたしは金や利益のため、あるいは、劇場やバスの席を取られたからといって、
  人と争ったり、命を賭けたりはしない。争いは実にくだらんバカのする事だ。
  だが!「創作活動」という行為に対しては、命を賭ける。
  殺人も、神は許してくれると思っている!」

倉刀「師匠……」

ハルト「わたしは結果だけを求めてはいない。結果だけを求めていると、
  人は近道をしたがるものだ………近道をした時、真実を見失うかもしれない。
  やる気もしだいに失せていく。この大会に参加した奴等は、己の道に信念を貫こうとした
  大ばか者たちの集まりなのさ」

係員「ハルトシュラーさん、そろそろ試合開始です」

ハルト「おっと、話が長くなったな。では行ってくるとするか」

倉刀「師匠……」



第一戦

錬金術師   VS   S・ハルトシュラー

to be continued