皆でキャラ考えて『島京』で動かそう!なスレ
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0129「恒星都市」 ◆LV2BMtMVK6
2009/08/27(木) 22:50:18ID:g1R2bpqQこれは霧一。
「西側に限ればそうみたい。ただ、どこへ行けばいいのかわからない……。実際には第一層居住区と第二層工業区の間に挟まれた、
海抜がゼロメートル以下の地区になるはずなのだけれど」
エンジンを切る霧一。
露の端末が展開した構造マップへ見入る。
「S字の内側にはつきあたりから折れていくんだな、こちらへ行くか」
言ったその時、ステイックタイプ携帯端末に入電があった。
「霧一、WPの私設舞台が地下地区へ入る。やり過ごして追尾して。彼らは徒歩だ」
「了解」
もちろん露もこのメッセージを聞いていた。
一応了解はしたものの、彼は目前のハードルが若干高く見えてきている。
だが、いつまでも通路脇にいるわけにもいかない。
残留熱量探知でも使って追われたなら、地の利のないこちら側が逃げ切れるはずもないのだ。
後ろへ乗るよう手振りで促し、霧一はエンジンクランキング、火が入るやスロットルを全開。
長くゆるやかに弧を描いた地下道内を疾駆する。
人口的な照明に包まれた通路――というよりは道路と言っていい広さだが――を切り裂くヘッドライト。
空気の壁を貫き、振動を後ろへ絞り込む。ただ前へと狂ったように駆ける金属の馬。
衝撃波が後ろへ長く尾を引いて消えていく。
2km近くを一瞬にして走った彼は不意に減速すると、レーリングシステムいっぱいまで使って左へターン。
枝道へ飛び込んだ。バンクの激しさにイン側ステップが床と接触して火花を散らす。
「とりあえず、かなり時間が稼げただろう」
「でも、そんなに長いことじゃないわ。それに、彼らがここまで来なかったり、あるいはまさにここに来たりするとしたらリスクは高すぎる」
「確かにな。彼らの目的地がS字のつきあたりでなかったとしたらかなりまずいし、つきあたりだったとしても気づかれては追尾するどころじゃない。
逆に追尾されてしまうのがオチだ。もう少し落ち着いて隠れられるところを探すか」
言って霧一はリュックサックから小物を取り出し、本通路への出口に置いてきた。
「自動ドアのシステムは二百年前と変わらない。動くものの熱に反応しているわけだ。そのメカニズムは今でも生きている。
さっき置いてきたのは発信器だ」
「つまりそこを通るかどうかくらいはわかると」
「そういうこと。ただし気付かれる危険性も無きにしもあらず」
「それで?」
「ここを離れてさらに奥へと入れる。さっきマップを見たとき、研究施設の分館のような場所があった、無論現在生きてはいないだろうが」
「了解」
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