>>141

「君たち、そんな小さい子相手に囲んで何をするつもり……だ……?」

僕が学校帰り、商店街をうろついていると、数人の男が小さい少女を囲んでいるのを見かけた。
怯えた少女、にやにや顔をの男とくればまともな状況ではないことがすぐにわかる。
こんな場面に出くわして、警察呼んで終わりというのも味気ないので、こうやって誰何の声を挙げた。
もっとも囲まれている少女を見て、結局言い淀んだのだが。
その少女……いや少女と言っていいのか僕には分からないけど、
ともかく僕がよく知っている顔だったのである。

「なんじゃ、これからが良いところじゃったのにのう」
ついで、さっきまでおびえた表情をしていたはずの少女が急に横柄な態度変えたため、
囲んでいた男どもの方が唖然としている。

「僕が来ない方が良かった?」
「当然じゃ、いい鴨を逃すかもしれん」

その言葉に周囲の男たちがいきり立つ。
「なんだとゴラァ!」

僕に対し一人の男が殴りかかる。
僕は当然のごとくその拳を後頭部へまともに受け、突っ伏した。
ああ、これが脳震盪というやつかな……と、思いながら意識が暗転した。



「…………い……………おい」

ん、なにか遠くから声が聞こえるな

「起きろと言っておるのじゃ、このバカたれが!」

「……ん、おはよう」
ボーっとした頭で目の前にいる少女に挨拶する。

「まったく、お主はよわっちぃのに事件に首を突っ込み過ぎじゃ」
「あはは、ごめん」

首だけを動かすと周囲に数人の男が倒れている。
彼女なら……何百年も生きてるこの少女なら、これぐらいできて当然だろうと思う。