>>731 関連
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/science/study/2012/01/45665.html
超弦理論-重力と量子論の統一を目指して-
奥山 和美

略歴: ’94 東京大学理学部物理学科卒業
’96 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了
’99 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)
’99〜’01 高エネルギー加速器研究機構学振研究員
’01〜’04 シカゴ大学研究員
’04〜’06 ブリティッシュコロンビア大学研究員
’06〜 現在現職
専門分野: 素粒子理論
ホームページ: http://azusa.shinshu-u.ac.jp/~kazumi/

さよなら、時空
私は長らく海外で研究員として過した後、2006年に信州大学にやって来ましたが、最近は研究員時代にはなかなか考える余裕が無かった問題、大学に入ったばかりの頃に興味を持った重力を量子力学を一緒にするという問題を考えています。
だんだんはっきりしてきたのは、我々が普段何気無く受け入れている「時空」という考え方は最終的な理論では捨ててしまったほうがいいのではないかということです。時空というのは時間と空間を合わせたもので、アインシュタインの一般相対論の舞台となるところです。
しかし、量子論を考えると時空というのは古典的な概念で、量子論では存在しない可能性があります。でも、時間も空間も存在しないとしたらどうやって物理現象を記述したらいいんでしょう?

ここで、量子力学が誕生したばかりの頃のボーアの言葉が参考になると思います。
「私たちは今、物理学の新しい領域にいますが、そこでは古い概念は使えそうにないことがわかっています。しかしながら、何かを語るには言葉が必要ですが、その言葉は古い概念から、古い用語体系から借りてくるしかありません。」
超弦理論は未完成の理論ですが、完成した暁には時空という概念も新しい物理を語るための古い言葉になっているかもしれません。