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一般的に詐欺被害者が泣き寝入りする理由は以下の3点にある。
1. 騙されたことを公言することが恥ずかしいため
 詐欺の被害にあった後、自らの行為を振り返ってみると、多数の判断ミスを繰り返していることに気が付く。詐欺師の言動に怪しい箇所も多数見受けられていた。そうであるにも関わらず、欲に目がくらみ慎重な判断を行うことができなかったのである。
 自分が騙されたということを第三者に告げるのは、自分がバカであること公言するようで、プライドが著しく傷つく。
また、高齢者が詐欺被害に遭ったときなどは、騙されたことを親族などに告げることで、耄碌(もうろく)したと思われたくないという心理も働く。そのため、詐欺被害者は頑なに口を閉ざすのである。

2. 回収不能と絶望するため
 詐欺被害に遭ったと警察に告げたとしても、忙しい警察職員が必死に詐欺師を糾弾するとは思えない。
また、詐欺師が行方不明になっていることも多い。
詐欺師に資力がないときや、行方不明となっているときには、弁護士としても法律的に詐取された金銭を取り返すことは非常に困難である。
 これらの事情に絶望した詐欺被害者は、回収不能であると自ら判断して泣き寝入りするのである。

3. 自分の身を案じるため
 詐欺の対象となっているものは、ネズミ講であったり、違法な物品の売買であったり、はたまたインサイダー取引であったりと違法な要素が見え隠れしている。
ハイリスクを負っているが故にハイリターンが見込まれるのであり、詐欺被害者の身が潔癖でないことも多々あるのである。
 そのような状況で警察に詐欺被害の申告をすることは、最悪自分が捕まってしまいかねない。そのため、泣き寝入りに甘んじることになるのである。

エッフェル塔詐欺で泣き寝入りした心理
 先に述べたルースティヒの詐欺に騙されたポワソンも、「1.」「3.」のケースが当てはまるだろう。エッフェル塔の解体作業などという大それたプロジェクトを信じたことを恥じ、
また入札に際して賄賂を渡したという、自らの身の不潔さを理由に、泣き寝入りに甘んじたのであろう。
 もっとも、このように詐欺被害に遭っても警察に被害申告しないものが大勢いるということは、それだけ詐欺師をのさばらせる要因となっていることも事実である。
実際、前述したルースティヒは、ポワソンが警察に届け出なかったことをこれ幸いとし、再びパリに舞い戻りエッフェル塔の売却詐欺を実行しようと試みている。
 さらなる詐欺被害を無くすためにも、詐欺被害に遭ったときは、まずは警察に届け出ることをお勧めする。