先日母(昭和15年生)に聞くと、「天皇陛下が本当に神なんてそんなこと信じていたわけないでしょ」と言っていました。父(昭和10年生小国民)に直接聞いていませんが、「同じよ」と母は言っていました。小国民の中の一部のインテリが神と信じたか?
 小林氏の論によると天皇陛下が神格化されたのは共産イデオロギーへの対抗から日本イデオロギーが発生したようで昭和10年の天皇機関説をあげています。政府は天皇機関説を否定しました。そして日中戦争にはいると天皇の神格化が強化されていきます。
ようするに「苦しいときの神頼み」ということと旗印ということで、例えば米国が戦争のとき、「民主主義とキリスト教の名のもとに」とするのと同じものと述べています。
ちなみに昭和天皇は機関説論争のとき「機関説でいいじゃないか」(岡田啓介回想録)と述べており、戦後の回想でも「私を神だというから、私は普通の人間と人体の構造が同じだから神ではない。
そういうことを言われては迷惑だと言ったことがある」(昭和天皇独白録)と述べています。
 大方の人は天皇は神というのは松下幸之助が経営の神様、手塚オサムがマンガの神様というのと同程度として捉えていたのに対し、小国民は本当の神様として捉え、外国ではGOD(全能の神)として誤って捉えたようです。
昭和21年の「新日本建設に関する勅書」にGHQは天皇神格化を否定するような一文を入れますが、昭和天皇は自分は神だと思っていないし、小国民以外の日本人は神(GOD)だと思っていませんから何のことはなかったわけです。
国内で騒ぎになった様子はありません。外国では取り上げられたようです。「人間宣言」というのは日本を賤しめたい歴史家が勝手にネーミングしたもののようです。
戦前の人が軍に騙され、狂わされたのではなく、戦後の我々が学校教育や知識人、メディアに騙されて教えられてきたようです。