百人毒凶(ひゃくにんどくきょう)
中国拳法史上、その暗黒の流れとして恐れられた殺人拳法魍魎拳の修行の証としておこなわれた
これに挑戦する者は試合前に福建省産出銀殉丹という遅効性毒物を飲み
十人一組を相手に十対一の組手をおこなった
そして十人を打ちまかすごとにその毒物に対する十分の一の解毒剤が与えられ
十組百人を打ちまかしたとき初めて命がたすかることになる
時がたつにつれて毒で体が弱ってくるのはもちろん
百人からの拳法士全員を打ちまかすのは並はずれた体力と技量を必要とするのはいうまでもない
迫りくる死の恐怖の中で人間の精神、肉体の極限を究める壮絶な試練である
それを成し遂げた者は“拳聖”の称号を与えられ真の勇者として畏怖と尊敬の対称とされた
■ 参考文献
● 中津川大観著 時源出版刊「中国拳法裏面史」より