日本全国に点在するサービスエリア(SA)/パーキングエリア(PA)のなかでもダントツの人気を誇る東名高速道路の海老名SAですが、トラックドライバーからは不人気だといいます。その理由とはどのようなものなのでしょうか。

海老名SAは、なぜトラックドライバーに不人気?
 高速道路には一定の間隔でサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)が設置されていますが、そのなかでも日本一有名なサービスエリアといっても過言ではない東名高速道路の「海老名サービスエリア(海老名SA)」です。 
 しかし、海老名SAはトラックドライバーからは不人気だといわれていますが、それはなぜなのでしょうか。

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日本一の来場者を誇る海老名SAだが、トラックドライバーからは不人気な様子…なぜ?

 1日平均で6万人、多い日には10万人(上下線合計)が訪れる海老名SAは、高速道路の休憩施設として来場者数、売上高などにおいて日本一を誇っています。

 上り線は、2011年の物販・飲食フロアの大規模リニューアルに合わせて「EXPASA海老名(上り)」を開業。2020年には、下り線も待望の「EXPASA」が冠されました。

 EXとは、「超える」という意味があり「EXPASA」は、既存のSA/PAを超える飲食、休憩施設であることを意味しています。

 東京に近く、東京や横浜方面から東名高速に乗ると最初に出てくるSAが海老名です(最初のPAは港北PA)。

 行きは朝ごはん、帰りは夕食やお土産、スイーツを買って帰るという人も多いでしょう。まるでデパ地下のように華やかで楽しい雰囲気です。

 閉店する2時間から3時間前からお弁当類や総菜類の割引も始まり、ちょっと高級なお弁当も半額になるなどお楽しみもあります。

 また、海老名SAには「ぷらっとパーク」も設置してあり、高速道路を利用せず外部(一般道)からの利用が可能。

 駐車場も上下線合わせて100台以上が完備されており、地元の人も多く訪れています。

 しかし、この日本一のサービスエリアも、トラックドライバーを中心とするプロドライバーには少々不評のようです。その理由はどんなことでしょうか。

 YouTubeでトラックドライバーに向けた有益な情報を発信している伊藤氏は、自らの経験やドライバー仲間の声を集めて「海老名不人気」の理由を以下のように話します。

「海老名に限らず、近年リニューアルされるサービスエリアはどこも観光地化しています。

 テナントなどの関係で仕方ないのもかもしれませんが、休憩施設として利用しづらくなったSA/PAも増えています。

 私たちのような、職業ドライバーが日々利用する施設ではなく、年に数回訪れる観光客向けのレジャー施設になりつつある印象です。

 とくに海老名SAは、大型車の駐車スペースが少ないです。台数でいえば小型車が5倍以上ですが、それでも大型車スペースに停める小型車は後を絶ちません。

 私たちは大型車スペースにしか停められないですし、労働基準法で定められた休憩時間を確保する義務があるため、休日や行楽シーズンはとくに海老名SAを避けるようにしています」

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 実際に、海老名SAの駐車マスの数をみると、名古屋方面の下り線では大型:98/小型:528(大型との兼用を含む)です。

 東京方面の上り線でも大型:89/小型:446(大型との兼用を含む)となり、「大型車向きではない」ことは明らかです。