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剣道部「熱中症です…」顧問「嘘つくな!演技だろが!見たら分かる!」馬乗りになりビンタ→その後死亡

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0001風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:10:29.08ID:+x8/KfUK0VOTE
「おにぎり、1個? 2個?」

「1個でいいや。部活きついと食べられんけん」

 その朝、弁当について母とそんな会話を交わした長男は、生きて帰ってこなかった。大分県立竹田高で起きた剣道部主将熱中症死亡事故。今夏、十三回忌を迎えた両親はこれまで、司法の場で指導者の責任を問い続けてきた。その思いは、スポーツ指導での暴力への厳罰化という形の抑止につながっている。

 2009年8月22日。工藤剣太さん(当時17)が死亡した経緯から振り返る。ここまで描写できるのは、両親が部員たちの協力を得て、証言を聞き集めたからだ。当初、大分県の教育委員会と学校関係者が示した報告書は、ごく簡単な時系列に過ぎなかった。部の後輩でもあり、事の一部始終を見ていた弟が「事実と違う!」と怒りをあらわにしたことから真実追及がなされたことを、まず確認しておきたい。

https://i.imgur.com/Wk2gVRL.jpg
0002風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:10:42.68ID:+x8/KfUK0VOTE
水分補給は少なめ、嘔吐する生徒に竹刀で叩く

 練習は午前9時から始まった。剣道場には顧問と副顧問がいた。基本練習をし、午前10時ごろに給水。各自、コップ2杯程度の水分を取った。この部では日頃から、「次の練習に響かないよう水分摂取は少なめに」という誤った認識が植え付けられていた。

午前10時半ごろから打ち込みが始まり、トイレに嘔吐しにいく部員が現れ始めた。吐き気は中度の熱中症の症状の一つだ。しかし、顧問は戻ってきた部員を案ずるどころか、腰を竹刀で3発ほどたたいた。
0003風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:10:55.92ID:+x8/KfUK0VOTE
主将である剣太さんへの指導も苛烈さを増した。「俺の言ったポイントが全くできていない!」「気迫がない!」と、顧問は声を荒らげた。面を持ち上げ、むき出しになった首をたたく場面もあった。

 その後、剣太さんは一人、練習を続けさせられる。顧問は、個々の打ち込みが合格かどうか、部員全員の挙手で決めさせる方式を採った。剣太さんを合格とした部員はいた。しかし、顧問から「どこがいいんだ!」と責められ、誰も挙手できなくなった。

「俺、頑張るけん、みんな手を挙げてな!」

と自らを鼓舞した剣太さんだったが、徐々にふらつく。繰り返し壁に当たるようになり、ついにひざまずいた。そして、「もう無理です」と言った。
0004風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:11:07.47ID:+x8/KfUK0VOTE
剣太さんは部員たちに起こされても、違う方向を向いて動かなかった。竹刀を払われても拾おうとせず、持っているかのようなしぐさをした。重度の熱中症を疑うべき異常行動だ。ところが、

顧問は「芝居やろうが! きつい振りすんな!」

と怒鳴った。剣太さんは薄れる意識の中で命の危険を感じていたのだろう。面や道着を外そうとした。「何しよるんか」という顧問の問いかけに「本能です!」と答え、前に倒れた。
0005風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:11:21.04ID:+x8/KfUK0VOTE
顧問は熱中症への認識が極めて低いだけでなく、この期に及んで、甚だしく暴力的だった。

 顧問は剣太さんを立たせ、「演技やろうが!」と突き飛ばした。剣太さんはあらぬ方向に歩き出して壁にぶつかり、「あーっ」と叫んで崩れ落ちるように座り込み、仰向けに倒れた。顧問は馬乗りになり、怒鳴りながら10発程度の往復ビンタをした。

「目を開けろ! 俺は熱中症の人間を何人も見ている! そういうのは熱中症じゃねえ! 演技じゃろうが!」

 壁にぶつかった時に額に負った傷の血が、飛び散る勢いだった。

 剣太さんは何も反応しなくなった。目を見開き、白目をむいていた。部員たちが水分を取らせようとするが、すべて吐いた。
0006風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:11:39.85ID:+x8/KfUK0VOTE
顧問が意識のない剣太さんに「じゃあ行くか」と言って、救急車を要請したのは、午後0時19分ごろである。約1時間半にわたり、しごきが繰り広げられていたことになる。自らも足にけいれんを起こし、歩くことがままならなかった弟が剣道場の温度を確認すると、36度だった。

顧問から連絡を受けた父の英士さんが病院に駆けつけると、剣太さんは荒い呼吸で目をカッと見開いていた。「うおー!」とうなりながら起き上がろうとするのを、英士さんは懸命に押さえた。母の奈美さんも病院についたが、夕方、剣太さんは亡くなった。

体温は42度もあった。
熱中症を悪化させた熱射病だった
0007風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:11:42.89ID:9IXsPzK00VOTE
同級生は敵討ちに行けよな
0008風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:11:57.94ID:+x8/KfUK0VOTE
通夜の席で、弟から状況を聞いていた奈美さんは、剣太さんを殴り続けたことについて、顧問を問い詰めたが、顧問は「気付けのためにやりました」という言い訳を繰り返したという。顧問の横暴を止めるべき立場にいた副顧問も「止めきれませんでした」と答えるだけだった。4日後に学校が開いた保護者会では、学校側からは謝罪も詳細な経緯報告もなく、他の生徒の心のケアについての相談体制の話に終始していた。

 4カ月後、大分県教委から、顧問は停職6カ月、副顧問は停職2カ月の処分が下った。しかし、県教委の対応は両親には誠意が感じられなかった。
連絡は二人が問い合わせをした時のみに応対するだけ。顧問・副顧問の処分決定に至る説明もなされなかった。

 ここから、両親の長い長い戦いが始まった。
0009風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:12:16.33ID:+x8/KfUK0VOTE
翌2010年、顧問・副顧問らに対する損害賠償請求訴訟を大分地裁に起こした。同時に、その教諭2人を業務上過失致死と重過失致死の容疑で大分県警に刑事告訴した。

大分地裁での損害賠償請求訴訟では2013年、顧問の過失が認められた。ただ、賠償金の支払いそのものは顧問ではなく、大分県などに命じられた。

公務員が職務上、違法に他人に損害を与えた時は、「国や自治体が賠償責任を負う」とする国家賠償法の規定に基づいたためだ。
0010風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:12:34.55ID:+x8/KfUK0VOTE
両親はこれに納得しなかった。国家賠償法は本来、消防士や警察官などが危険な職務で臆することがないようにするためなど、限定的に適用されるべきであって、「暴力教員を自治体が守るのはおかしい。部活動の暴力的な指導の抑止につなげるためにも顧問個人が支払うべきだ」と、福岡高裁に控訴した。

 この控訴は退けられ、最高裁も上告を退けた。しかし、あきらめなかった。
0011風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:12:47.30ID:+x8/KfUK0VOTE
https://i.imgur.com/1B0FGiY.jpg
0012風吹けば名無し2021/10/31(日) 19:12:59.73ID:+x8/KfUK0VOTE
今度は、賠償金を顧問に負担させる「求償権」を大分県が行使するべきだと、県の在住者として住民訴訟を起こしたのだ。この裁判では、2016年に大分地裁で、2017年には福岡高裁で求償権の行使を命じる判決が出て、最終的に顧問は賠償金を払った。

両親の代理人弁護士が「学校の事故に関し、公務員個人の賠償責任を認めた判決は高裁レベルでは初」と話したように、部活動での誤った指導について、司法の厳しい判断の流れをつくる画期的な判決でもあった。
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