組織委「五輪開催に医療関係者5000人が必要です。もちろん無償です」

<東京五輪>医師ら5000人を無償で確保できるの? コロナ延期前の計画変えず…医療界に困惑広がる
2020年12月28日 15時08分

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は来夏、競技会場などに配置する医療従事者に対し、原則無償で活動してもらうことを明らかにした。

 延期前も無償が前提だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、医療界には困惑の声が広がる。総勢5000人超を集める計画は見通しが立たず、大会開催を揺るがしかねない状況だ。(原田遼)

◆「財政的なゆとりなく報酬出せない」

 「組織委からは報酬を出せない。財政的なゆとりがない」。組織委の武藤敏郎事務総長は22日、大会予算発表後、本紙の取材に答えた。

 新たな予算計画で大会経費は2940億円追加され、1兆6440億円。追加分の6割強を公金に頼っており、延期に伴う施設維持費やコロナの検査費用など最低限のコストしか計上されなかった。

 武藤氏は「国が配慮してくれる可能性がある」と含みを持たせたが、内閣官房の担当者は取材に「検討してない」と回答した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/76979