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投手として入学したが、1年秋にひじに死球を受けて外野手に転向。守備が苦手だった。野球ではほかの9人と差があることを自覚している分、練習では道具の準備や片付けを率先してやった。

 練習後はたまに、農場当番の高橋に誘われて、鶏や豚の世話をした。冬は雪でつぶれそうなビニールハウスの雪下ろしをみんなでやった。いつも一緒にいた仲間とのけ反りながら校歌を歌いたかったが、今回は許されなかった。

 「同級生なのに、あこがれみたいになっていった」。寂しさを胸に秘め、勝利を願い、ボールを届け続けた。

 決勝後のグラウンド。みんなが土を集めるのを眺めていた。すると、「川和田も来い!」と呼ばれた。いつもの仲間が、こっちを見ていた。うれしくて、甲子園の土を、手を真っ黒にして集めた。