そこへ、自分がケンカの原因とは知らないトメが台所から嬉々として乱入してきた。

「ちょっと、夫婦ゲンカ?こういう時は妻が折れなくちゃダメじゃない!
 昔はね、ダンナ様が『黒』と言ったら『白』でも『黒』だったのよ。
 まったく・・・○ちゃん(私)はそういう所が足りないのよねっ!」

ふんぞり返って『夫婦の道』を偉そうに語るトメ。チャ、チャーンス!
私は自分でも笑いたくなるのをこらえて冷静に「すみませんでした」と頭を下げた。
ヨメに頭を下げさせてますます嬉しそうにニタニタ笑うトメ。

「わかりました、※さん(ダンナ)の言う通りにします。
 ※さんは『お袋の頼みをいちいち聞くな、甘やかすな』と言ってましたので、そう
 する事にしますね。
 『お義母様の頼みだから断るわけにはいかない』と私は思っていたんですが、お義
 母様も※さんと同意見のようですので、もうお義母様の頼みは聞きません」

そう言って顔を上げると、トメは無表情→驚き→大慌て→怒りと表情をクルクル変えた。
「そ、それとこれとは話が違うわよっ」と必死に抵抗するトメに向かってダンナが一言。

「ケンカの内容も知らないくせに出しゃばる方が悪いだろ。
 ケンカの原因も含めて、お袋が全部悪い。コイツに甘えるのもほどほどにしろよ」

酸欠の金魚のように口をパクパクしていたトメを見て、とてもスキーリした(・∀・)
その後、今のところ「夕飯作れ」などの下らない要求もないのでさらにスキーリ(・∀・)