人間が瞬間的に見て覚えられる数は、数字でも文字でも最大7つ
だから、1分間に読める文字数は、
60秒÷0.2秒=300回×7文字=2100文字となる。しかし、視覚的
認知能力では、1分間に5万文字を読むことも可能なんだ。この
能力は、目の前にあるものの形や色を瞬時に認識する能力で、
1つの記号などであれば1000分の8秒で認識することが可能となる。
速読者の眼球運動を分析した結果、視点の動きは非常に少なく波
を描くように行をなぞるだけで、行の上と下には視点がいって
いないことが分かった。また、周辺視野も使って本を読んでいた。
普通の人は、目の中心窩と呼ばれる部分で見える範囲を読むが、
この中心視野の周辺部で見えている範囲も読んでいたわけだ。
通常周辺視野は視力が弱く、文字を読むことはできない。
分析では、速読者は脳の右側の後頭部が激しく活動していた。
脳には言葉・文字・数字を分析的処理する左脳と、絵・音楽
イメージを総合的処理する右脳があり、文字を読んだときには
左脳から右脳へと信号が伝わる。速読者の場合は文章をイメージ
化し、脳内の処理回路が最短で接続されるようになっていた。
誰もが、文字を音声化・文字をなぞるなどの癖があるため読む
速度が遅くなってしまうのだ。速読を身につけるには、文字を
連続的に速く見る(1回に読み取る文字数を多くし、文字を飛ば
さずに読む)同じ本を繰り返し読む(1行づつ繰り返し何度も読み
イメージする)訓練が必要なんだ。