では、全体的なことを考察してみよう。

速読は本を速く読む技術である。
今までやっていた、本を読むという動作が
単純に速くなるだけである。

さて、ここで原点に戻って考えてみる。
本を熟読した場合、理解度は人それぞれである。
現代文のテストで、みなが満点を取れないのは事実である。

それでは、熟読で100点満点中、50点しか取れない人をモデルにする。
この人が理解度50パーセントで速読した場合、
本当の意味での理解度は25パーセントになってしまう。

これは、趣味で小説などを読んでいる場合は全く問題にならない。
「主人公が、明確にはかかれていないが、実はホモであった」
ことを理解できなくてもなんの問題もないし、楽しければそれでよい。

が、25パーセントの理解度では仕事や、勉強には
全く使えないことになる。

もちろん、訓練を積み、100パーセントの理解度で速読が出来るようなったとしても
この問題は変わらない。本当の意味での理解度は50パーセントである。
速読を完璧に使いこなせるようになっても、現代文のテストでは50点しか取れない。

それなら、はなから速読など習得せず、熟読で理解度を上げる勉強を
した方がはるかに有用ということになる。