意地悪な質問
君の歌を聴いていると心地いい僕の行きたいところへ行ってくれる
時に思いがけないところへ行ったりするが実に芸術的で「やられた」と唸ってしまうのだ
認めるということはいさぎが良くて気持ち良い
自分の中の大人に出会えるからだ「オレたちはただの流行歌手だ」と君は言う
本当にそうかもしれない
でもそれには少し抵抗があるのだよ時代に残る歌を書きたいと思わないかい
ぬかるみの上を「我気にせず」と突っ走る君を見ていると
僕は自然に景色を見渡して歩くようになった
君の歌の中にある狂気は
僕の中にも存在する君のようになって僕もそこにいる
流行はアンダーグラウンドで生まれ
主張のない世間に広がって行く
ひと握りの若者が憲法違反に立ち向かっている
僕たちの歌は愛だが
立ち向かうことが本質であるかのように
触り心地の良い皮膚を内側から突き破る時もある
僕も君も
もはやアンダーグラウンドではないが
懐かしい人だけにはなってはいけない
例え世間がそう言い放とうとも僕たちは認めてはいけない
絶望に受けが良くてはならない
どこへも出航しない船の上で明日を語るのはやめよう
夢を見張りながら錨を上げよう見送りはいらない
航海と後悔が似ているのは仕方ないが切り捨てる方は決まっている
そこで質問だが
今を生きる」と「明日を生きる」
君はどちらを選ぶんだい これは少し意地悪な質問だったな
どちらも選ばず
「笑って生きる」へ出航しよう