オレたちが案内されたのは灯りのともった霊安室の前だった。
オレたちはしばらくの間、動くことができなかった。
オレが、ドアのノブを回し、ドアを開けた。
おかあさんが抱きついてきた。
“ツヨシくん、何があったの・・・・・”
誰かが白い布につつまれて横たわっていた。
平野が、その布をはいだ。宮城だった。宮城がねていた。
樋口が床に崩れた。竜太郎が壁をたたいた。
平野は手に布を持ったまま、じっと見つめていた。
オレはねている宮城のからだをゆすった。何度も何度も・・・・。
だけど、まだあたたかくて、ちょっとかたくなった宮城は二度と目をさまさなかった。
信じられなかった・・・・。何で・・・・。
オレたちは悪い夢を見ていた。悪い、悪い夢を・・・。
長い、長い、長い夜だった。雨が降っていた。