このたびはCD再発が延期されましたことを深くお詫び申し上げます。
そもそも今回再発を試みたのは某オークションサイト他での海賊盤の横行と、
それを買わざるを得ないファンが不憫でならなかったのです。
ようやく日本のロックというものがジャンルとして認識されるようになり
一昔前には考えられなかったような再発が行われるようになっており、我々も
その一助となったと自負しております。しかしその結果としての廃盤商人の錬金術。
このバンドはその餌食として最たる物だと思うのです。
再発の交渉は困難を極めました。そもそもM氏がどこにいるか、そこから始めなければ
なりませんでしたから。今は具体的な地名を申し上げることは出来ませんが、ある評論家を
介して某所でついに交渉の席に着くことが出来るようになったときは興奮して
前日は眠るどころではなかったです。仲介人とそわそわして待っていると、「彼」はふらりと
やってきました。こちらは緊張してともかく失礼の無いように、しかしこの熱意を是非とも
伝えないと、と必死でした。ところが「彼」は拍子抜けがするほど穏やかな方で我々の話も
時に相槌を打ちながら聞いてくれました。交渉も順調で、再発自体はあまり望ましくないが
最悪な現状を打開するためならば仕方が無い、とも仰ってくださいました。では何故、と
いうことですがこれは我々の至らなさとしか現時点では言えません。ただM氏は今後も
交渉の席に着いてくださるそうですし我々も諦めるつもりはありません。それゆえ、これは
「中止」ではなく「延期」なのです。