NHK北九州
「富貴楼」休業へ 売却の意向

国の文化財に登録されている江戸時代から続く北九州市小倉南区の中華料理屋「富貴楼」が、平成29年6月で営業を休止することになりました。
経営者の内田一さんは中華料理店を売却する意向を示していて、今後文化財として維持管理が続けられるのか懸念されています。
福岡県北九州市小倉南区下曽根のJA北九東部の向かいにある「富貴楼」は、江戸時代から続く老舗の中華料理店で、初代の内閣総理大臣、伊藤博文が明治22年(1889年)にその名前をつけたことで知られています。
90畳の大広間や4畳に及ぶ床の間などが特徴で「歴史的な景観に寄与している」として、平成19年(2007年)に国の有形文化財に登録されました。
料亭を経営する内田一さん(69)によりますと、自身の高齢化に加え後継者もいないうえ、建物の維持管理に年間300万円以上かかることなどから、現在予約が入っている平成29年6月10日を最後に営業を休止するということです。
内田さんは土地と建物を含め中華料理屋を売却したいとしていて、売却先が中華料理店を存続させるなら、営業再開もありうるとしていますが、今後、文化財として維持管理が続けられるのか、懸念されています。
北九州市文化財課は「建物は歴史があり非常に価値のあるものなので保存することが望ましいが、まずは所有者の意向を確認したい」と話しています。
04/20 06:02
http://www.nhk.or.jp/lnews/kitakyusyu/5035743351.html