江戸前ってのは江戸の前でとれた魚の事だけを示さない。
 江戸前と名乗るすし屋は、本来、生の魚を酢、塩、こぶ、などで加工
 調理したものを使う。魚のさばき方も本来違う。(包丁も)
 漁師は生の魚を食べられたが、ほとんどの人間が生の魚は食べられな
 かった。しかし、冷凍技術の発展で、漁師しか生で食べられなかった
 魚を食べる習慣がここ40年程度で生まれた。(銀座あたりのすし屋
 でしか現在の刺身や寿司は食べれなかったという。)
 したがって、江戸前の寿司と言う文化はここ40年程度で飛躍的に向
 上した冷凍技術のおかげで生まれた文化であって、京都料理ではない
 し、関西料理では絶対無い。
 そもそも漁師以外で生の魚を食べる習慣は日本には無い。
 魚などには、寄生虫というものなどもあり、寄生虫の病が深刻であっ
 た。寄生虫は生の魚だけでなく、野菜にも多く、当時はこやしなどを
 人間のうんちから作っていたために、生で食べると病気や寄生虫など
 に悩まされるケースがあとをたたなかった。(目黒寄生虫館しらべ。)
 寄生虫の居る魚の代表なのは、川魚である。京都料理に良く登場する
 鮎なども寄生虫が居る事で知られている。
 なので、昔から生の魚、生野菜などは食べなかった。しかし、勉強が
 できないで料理人になった特に関西人は昔から刺身や生野菜を食べて
 いたと錯覚してメイン料理に刺身などを出すようであるが、どちらか
 といえば東京料理をメインに持ってきているようで滑稽(こっけい)だ。
 野菜嫌いの日本人が多い中、伝統的な京都料理というのは、野菜の煮物
 漬物にかたよっているのである。魚をさばくようになったのも歴史が
 きわめて浅い。
 東京築地の生魚が冷凍技術の進化で発展していった話は、NHKのプロジェ
 クトXでも放送されていた。
 会席料理は京都料理が中心ではなく、会席(懐石)料理=創作料理の
 ような位置付けになっていて、金沢料理の影響も強いのが東京の懐石
 料理の特徴である。
 つまり懐石料理も東京が本場のような物でそれは、築地に新鮮な魚が
 あったためである。
 他にも卵、鳥などを使った料理、焼き鳥(たれ)鳥なべ、などは明ら
 かに出汁を使わない東京風の特徴がある。鶏肉は高価で卵も高価だっ
 たそれを使った料理などもなまぐさぼうずの居ない東京料理の特徴で
 ある。
 牛なべ(すき焼き)は横浜で生まれたことはあまりにも有名だし、洋
 食の多くが銀座、浅草などで好まれて食べられていた事もあまりにも
 有名。
 最後にうなぎだが、関西のうなぎは不味い。さばき方も違うのは、本
 来、魚を生で食べる習慣や、海に面していないなどの立地条件から魚
 を使わなかった文化のなごりといわざるをえない。