醍醐駅だけ乗客減、人口減影響か 京都市地下鉄、烏丸線好調
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20170722000187

2016年度までの8年間で1日当たりの乗客数が5万人増えた京都市営地下鉄の全31駅で、ホテル開業が相次いだ烏丸通沿いの駅は20〜40%増えた一方、醍醐駅(伏見区)だけ乗客数が減少した。
同駅周辺の老朽化した市営住宅で、高齢化や空き家の増加が進んでいることが一因とみられる。
好調な京都観光の影響が大きい市内中心部と、郊外の差が浮き彫りになった。
市交通局が経営再建の計画を策定した09年度と、増客目標を達成した16年度で1日当たり乗客数を比べると、駅周辺にホテル開業が相次いだ五条駅は21・7%、九条駅は40・6%増えた。
二条城や市美術館での集客イベントの強化、市動物園のリニューアル効果もあり、16年度の各施設の来場者は09年度比でそれぞれ6万〜37万人増えた。
最寄り駅では二条城前駅814人(23%)、東山駅1348人(16・6%)、蹴上駅822人(19%)増加した。
また、同志社大の文系学部が回帰した今出川駅は29・2%増、京都学園大キャンパスが近くに開設された太秦天神川駅も51・7%増えた。
一方、醍醐駅は179人(2・8%)減った。
市交通局が、国勢調査から醍醐駅周辺4学区の人口の合計を調べた結果、10年度の2万3千人から15年度は2万2千人に1千人減っており、「乗客数減少に影響した」とみる。
1975年入居開始の市営醍醐中山団地は1179人が住み、65歳以上が約45%。
空き部屋は総戸数の21%と、10年間で倍増した。
地元自治会や市と連携協定を結んだ京都橘大(山科区)の学生が3部屋に入居しているが、抜本的な解決には至っていない。
市都市計画局は「どんどん建て替えるのは財政的に厳しく、他局と連携して地域活性化を考えたい」としている。