8歳くらいの頃、家のリビングで魔女の宅急便のキキの真似をしていた(わたしかわいい男の子)
デッキブラシにまたがって「飛んで!お願い!」とか「言うことを聞きなさい!」とか言って、
自分のさじ加減で荒ぶるデッキブラシと格闘しながら、壁にぶつかったりしてた。
それを、母ちゃんがビデオにおさめてた。

高校生の頃、家に友達数人を呼んで遊んでいたら、母ちゃんが大笑いしながら転がり込んできた。
「見て見てコレ見て」って、俺の醜態をみんなに公開。みんなひっくり返って笑ってて、
すっかり忘れてたからビックリしたし、顔から火が出るほど恥ずかしかった。
普通そんなものを息子の友人に見せますかって。
以来少しの間、「魔女っ子」「ねるねるねるね」「ロリコン」などと友達には呼ばれた。

母ちゃんは未だに「ちょっとちょっと!テレビに魔女出てた!仲間!」「デッキブラシ買おうか!デッキブラシ!」とか言って笑って俺をからかうし、
父ちゃんは「お前は嫌がるけど、こういう物こそ家宝になるんだよ。いずれわかる」って、
俺に慈愛の目を向けてくるし、ビデオはいつの間にかDVDになってるし。
もう逃げられない。